研究課題/領域番号 |
60112004
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
和田 八三久 山形大学, 工, 教授 (20010621)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
20,900千円 (直接経費: 20,900千円)
1985年度: 20,900千円 (直接経費: 20,900千円)
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キーワード | 超音波精密測定 / 超音波スペクトロスコピー / 高分子圧電振動子 / ずり波超音波 / 断熱圧縮率 / 超音波共振法 / 高分解能ブラッグ反射法 / 振動緩和 |
研究概要 |
超音波特定研究の計画研究班としての本班の重要な目的は、広い周波数領域にわたる各種の超音波スペクトロスコピー技術を確立することにある。本年度もこの目的に沿って多くの研究成果を挙げることができた。 和田は本班の総括にあたるとともに、高分子圧電フイルムを利用して新しいタイプの広帯域超音波送受波子を設計・製作した。すなわち反対符号の圧電定数をもつ2枚の厚さの異なるフィルムを貼り合せることによって、全体の厚さで決まる基本振動、3倍高調波の他に2倍の高調波も励起することができる。これらの振動モードはいずれもある程度の帯域幅をもっているので、これらの重ね合せとして極めて広い帯域幅をもたせることができた。岡野は液晶・ゲルなどを対象としてずり波超音波の精密測定法を開発しているが、本年度は主として10Hz〜数kHzの周波数域で有効な方法として、2枚の平板間の試料のずり波伝播測定装置を製作した。中島は溶液と溶媒との微小な低周波断熱圧縮率の差を直接検出する差動形の圧縮率測定セルを開発した。すなわち溶液と溶媒の間の圧電材料による隔壁の湾曲を測定する方法である。美宅は生体試料などの稀薄水溶液の0.1〜10MHzの周波数域での音波特性の精密測定を目的として差動型超音波共振法の改良を行なっている。この方法は使用試料量が少ないという点で生体物質の研究に適している。すなわち水晶振動子を凹面型とし、セル長を短くすることによってより純粋な共振モードを得ることができた。高木は高分解能ブラッグ反射法を用いて液体・固体の0.1〜2GHz域の音波物性の研究をつづけ、本年度は多くの有機溶体の振動緩和についての結果を集大成して分子内振動モードとの関連を明らかにした。また凹面型振動子を用いた光による検出を利用した共振法を開発した。 昭和60年8月班主催の研究会を東京で開催した。
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