研究課題/領域番号 |
60114005
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冨田 謙吉 京都大学, 薬, 教授 (20025670)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1985年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
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キーワード | エンドサイトーシス / エキソサイトーシス / プロセシング / 分泌機構 / 吸収機構 |
研究概要 |
研究計画に従い以下の研究実績を得た。 エンドサイトーシスとエキソサイトーシスにおける生体分子のプロセシングと機能発現について、刺激-応答反応が迅速かつ明瞭な血液系細胞を用いて検討し、多くの成果を得た。血液細胞(好酸球や白血球)を刺激し、活性酸素と酵素放出反応が起こる際に、刺激の受容体結合に引き続く膜蛋白の修飾について、ポリホスホイノシチド回路-【Ca^(2+)】促進系が活性化し、その制御機構にN蛋白(Ni)のADPリボシル化修飾があり(宇井)、それによってCキナーゼが活性化し膜蛋白の一部が特異的に燐酸化されることが見出され、また、受容体自身に燐酸化が起こり、リガンドの結合量を高め、受容体機能の脱感作状態にする(冨田)ことも明らかにされた。燐酸化修飾反応に加えて、受容体へのリガンド結合は、膜に存在しているセリン型プロテアーゼを活性化して膜蛋白の特異的切断が起こる(小山)こともわかりその相互の関連性について今後検討される。細胞膜が細胞内に取込む分子を認識する際の修飾について、神経終未のウイルスや酵素取込みをモデルに解析され、分子の糖鎖β-D-ガラクトース基を特異的に認識するサイトが膜にある(直井)ことがわかりその反応の普偏性について興味がもたれる。また、ラット肝細胞膜表面のアシアロ糖蛋白受容体について、詳細に検討され、受容体が燐酸化修飾を受けるとともに、ポリペプチド鎖がプロテアーゼによって限定分解されることが始めて見出され、その反応による蛋白分子の機能変化が探索されている(田代)。従来、受容体のエンドサイトーシスは、主に形態学的に観察され多くの知見を与えたが、急速凍結レプリカ法によってミリ秒単位で構造と機能の相関が調べられるようになった(金関)。分泌蛋白の修飾機構を分子遺伝生化学的手法で解析され、酵母から分泌変異の温度感受性株およびその変異を相補する遺伝子がクローニングされた(山崎)。
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