研究課題/領域番号 |
60115001
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗原 堅三 北海道大学, 薬, 教授 (00016114)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1985年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
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キーワード | 受容分子 / イオンチャネル / 情報伝達 / 神経細胞 / 感覚細胞 / GTP結合蛋白質 / ムスカリン受容体 |
研究概要 |
神経細胞や感覚細胞において、受容分子が受け取った刺激情報がどのような機構でイオンチャネルに伝達されるかを調べた。 1.神経における受容分子として、ムリカリン受容体を取りあげた。ウサギの交感神経細胞を培養し、これに各種の薬物を与え膜電位変化を測定した。アセチルコリンを与えると、膜コンダクタンスが減小して脱分極する細胞、膜コンダクタンスが変化せずに脱分極する細胞が存在した。また脳からムスカリン受容体を単離し、これをGTP結合蛋白質を混合してリポソーム中に埋め込み、ムスカリン受容体の機能を保持した再構成系を作製するのに成功した。 2.カエルの視細胞より、cGMPに依存してリン酸化される蛋白質を取り出し、この蛋白質が光受容過程で調節的役割を果していることを明らかにした。またタコ視細胞中に光で活性化されるGTPaseが存在することを明らかにし、光受容過程におけるこの蛋白質の役割に関する考察を行なった。カエル視細胞およびタコ視細胞の細胞膜を平板型脂質2重膜に埋め込み、光の照射したときに膜電位変化が起こることを観測した。 3.ラット舌表面の温度を変化させ、味応答に対する温度効果を調べた。多くの刺激物質の場合、味応答は30℃付近までは温度とともに増加した。これは、温度の上昇とともに受容膜がコンホメーション変化し受容ドメインが著しく増大するためであると結論された。 4.カエルの嗅細胞を単離し、微小電極を挿入して膜電位の測定を行なった。またブタ嗅上皮から嗅細胞を単離し、螢光色素を用いて匂い物質を与えたときの膜電位変化を測定した。匂い物質による膜電位変化は、細胞外液からナトリウムイオンやカルシウムイオンを除いた条件下でも起こった。また膜電位変化の起こる濃度領域で膜流動性変化が起こっていることがわかった。
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