本特定研究総括班は、7つの計画研究班が行うべき研究の方向の示唆、班間研究連寛の調整、計画研究を補完する研究業務、成果の評価等々を含めた多面的な活動を行った。その主要な経過を次に記す。 すなわち、昭和60年7月、京都において第1回総括班会議およびコロキウムを開催した。このコロキウムには7つの班の構成員(公募班員を含む)の全員81名が参加し、多田富雄教授(東大・医)および井村裕夫教授(京大・医)による基調報告に沿って「食品機能」に関する討論を行ない、計画班員・公募班員個々の分担研究の参考に供した。当日、総括班編集の班員連絡誌(各班員の所属・職、研究歴、分担課題、研究進捗状況を記載)を全員に配布した。 昭和60年10月、京都にて班長会議を開き、61年度「研究計画調書」作製に向けて討論を行い、11月に文部省に提出された同「調書」の内容と今後の方針をめぐって討論をさらに深めるための第2回総括班会議を12月に広島で開催した。 昭和61年2月、東京において第2回公開シンポジウム「食品機能の系統的解析と展開」を開催した。これには班員に一般参加者を加えた300名以上が出席し、6名の演者の提供した話題を中心に、食品の新しい価値基準に関する活発な討論がなされた。翌日、第3回総括班会議が開かれ、60年度各班研究成果がそれぞれの班長によって報告された。当日、全班員の成果をまとめた「昭和60年度研究報告集」を配布した。この「報告集」は文部省にも提出した。 以上の主要活動のほか、総括班企画担当者らによる数回の研究打合せ会議を持ち、本特定研究全体の効率的な進捗を図った。また、東京大学農学部農芸化学科食品工学研究室に置かれた事務局は、総括班代表者(お茶の水女子大学長・藤巻正生)の意に従い、本特定研究にかかわる定常的事務活動を行った。
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