研究概要 |
本特定研究は、資源に乏しくしかも大量消費を行っている我国において近い将来に極めて切実な問題となる有機化学資源、特に芳香族資源の高度利用を目指して、基礎から見直し、解決の方向を探ろうとして発足したものである。小林は、この特定研究の代表者ならびに総括班班長として、特定研究全体の活動を推進する責任を負っている。上記の目的達成のため、3年間にわたる特定研究の初年度である本年は、1)化石系芳香族炭素資源の再評価と高度利用、2)植物系芳香族資源の再評価と高度利用、3)有機炭素資源高度利用のための高選択性プロセスの開発、4)新有機炭素資源開発と評価のための生物機能利用、5)芳香族炭素資源高度利用のための機能開発、6)植物系有機炭素資源の化学修飾による機能開発、の6研究班を設定し、その研究展開のための基礎づくりに重点を置いた。また、目的達成の効率化をはかるため、公募研究者も該当する班に組み入れ、計画研究班員と公募研究者が協同して研究を推進できるような運営を行った。 昭和60年度には公開シンポジウムを2回開催した。第一回シンポジウムは京大会館において昭和60年10月21日、22日に開催し化学工業の代表的企業の第一線研究者による特別研究2件を含む9件の研究報告を行った。第二回シンポジウムは、神田学士会館において昭和61年1月22日、23日に開催し、16件の研究報告を行った。この他昭和60年6月24日、25日には、合同会議を開き、27名の公募研究者から本年度研究計画の説明を受け、全班員の共通理解を深めることにより、特定研究の全般的整合性を計った。 総括班としてのその他の活動は次の通りである。1)4回の総括班会議、4回の班長会議を開催した。ニュース(No1,2)、シンポジウム講演要旨集(No1,2)、および昭和60年度研究成果報告書のとりまとめと出版を行った。
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