研究課題/領域番号 |
60120005
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
万波 通彦 京都大学, 工, 教授 (60025294)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
1985年度: 24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
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キーワード | 表面チャネリング / イオンの荷電分布 / 分子イオンの解離 / 非弾性散乱 / 表面構造 / オージェ過程 |
研究概要 |
本研究では、イオンと固体表面の相互作用について、高速イオン(〜MeV)に関しては万波、福沢が、低速イオン(【<!〜】keV)では塙が研究を分担、また、理論は大槻が担当している。得られた成果は以下の通りである。 1.装置製作:清淨固体表面をうるため、超高真空装置の製作・改良を行い設備の充実を計った。これら装置を用いて清淨表面作製法として、(【i】)超高真空中でのその場エピタキシアル成長によるSnTe単結晶の作製、(【ii】)アルゴンガス放電スパタリングによる金属表面清淨化の方法を確立した。散乱イオンの非弾性エネルギー損測定用にはイオンアナライザーの精密回転機構を試作した。 2.成果:MeV【He^+】ガスパタリング清淨面で散乱されたときの荷電分布は、表面汚染と共に変化することを確認した。一方、単結晶SnTe表面に30分以下の小角で入射したMeV【He^+】、【H^+】が表面最外原子列のみと相互作用し鏡面反射させることに成功し、この時のイオンの荷電分布は薄膜透過時と異ることを示した。また、水素分子イオン【H(^+_2)】が表面で小角散乱により解離する過程を調べ、衝突により生じた陽子対が固体表面にほぼ平行になって散乱されることを示した。さらに、鏡面反射したMeV【H^+】のエネルギー損失を測定することに成功し、そのエネルギー、入射角依存を明らかにした。低速イオンについては、Pb,Si表面で散乱された【He^+】の非弾性散乱の測定を行い異常エネルギー損失を求めた。理論的研究では、固体表面におけるオージェ中性化過程を各種近似法を用いて検討し、有用な一般公式の根掾を明らかにした。また、イオンのディチャネリング過程における核衝突の寄与のより正確な評価を行った。
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