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沈殿析出過程にみられる巨視構造の形成機構とその動力学

研究課題

研究課題/領域番号 60121014
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関九州工業大学

研究代表者

甲斐 昌一  九州工業大学, 工, 助教授 (20112295)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード沈殿パターン / 対数正規分布 / 不安定性 / パターン形成 / 非平衡構造 / 巨視構造
研究概要

過飽和溶液からの結晶成長は、一つの結晶界面の成長に注目した研究と、多分散となった多くの結晶の成長の統計的な挙動に注目した研究の二面がある。ここでは後者の観点に立った研究を行なっている。このような溶液には結晶群からなる巨視的な構造が生じるが、これはほとんど研究されていない。この沈殿系の是常状態の挙動を、主としてコンピューターと画像処理装置により、構造や粒子サイズ分布およびフーリエ変換等の諸解折を行ない評価した。この結果沈殿構造を形成する粒子のサイズ分布は界面律速成長型分布に近く、また粒子間距離、構造のサイズ分布は対数正規分布に一致した。このような不規則な構造にはしばしば沈殿のない円形の空間に大きなトリが一粒子が観測される。これがまわりのコロイド粒子を非線形効果によって吸収成長し結果として巨視パターンを形成すると考えられる。この粒子のサイズが大きいと空領域も広がり、線形に近い関係が観測される。また有限のトリガー粒子サイズ(臨界サイズAc)で空領域はなくなる。すなわち巨視構造を作るに必要な自己触媒不安定性は、ある有限の大きさの摂動から始まることが分った。また濃度が濃いとこの傾きはゆるやかになる傾向にあり過飽和度が大きいとAcが大きくなる傾向が見られた。この結果限られた過飽和領域(2〜4)で自己触媒的な現象が顕著になることが分った。以上、本研究で明らかとなったことは、次の諸点である。1)パターン形成には有限の摂動が必要である。2)パターン形成を行なうある過飽和領域があり、これは比較的過飽和度の低い領域である。3)空間スケールが少なくとも三つ存在する(粒子サイズ〜1μm、粒子間距離〜10μm、構造のスケール〜1mm)。4)巨視構造の局所的な現象は競合成長理論で説明できるが全体性は他の機構が関与している可能性がある。5)特殊な周期性を持った沈殿は流体力学的効果のような他の物理的な機構が関与している。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Journal Physical Society of Japan. 54-4. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Science on Form. 1-1. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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