研究課題/領域番号 |
60123002
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
藤沢 仁 旭川医科大学, 医, 教授 (10027039)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1985年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
|
キーワード | カルシウムイオン / 蛋白質リン酸化 / 神経伝達物質 / ホルモン / カルモデュリン / ミクロチュブルス / カルシトニン / 代謝調節 |
研究概要 |
高次の細胞の機能発現に、セカンドメッセンジャーとして関与しているカルシウムイオンの役割を分子レベルで明らかにするために、種々の細胞機能をそれぞれ物質代謝を伴う物質過程としてとらえ、カルシウム依存性蛋白質リン酸化酵素とその関連酵素による代謝調節機構の解明に主力を注いで研究を進めた。神経伝達物質やホルモンの合成と分泌、受容機構の解明のために、藤沢は脳に特異的に分布して微小管の重合-脱重合に関与しているカルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素【II】の性質について詳細な検討を行なった結果、酵素が自己リン酸化によって不活性化される新しい活性調節機構の存在を見出した。宮本は本酵素の基質について検討を加え、チューブリン、MAP2、タウ因子のリン酸化を確認した。本酵素はカテコールアミンやセロトニン合成の調節にも関与していることが知られているが、市山はセロトニン合成の律速酵素であるトリプトファン水酸化酵素の活性発現機構について検討した。藤田は甲状腺C細胞を用いてカルシウムイオンによるカルチトニン分泌の調節機構について調べた。出口は培養細胞NG108のオピエート受容体の可溶化を行なった。細胞増殖機構に関与するカルシウムイオンの役割を明らかにするために、伊豆津はクイン2を用いて個々の細胞の遊離カルシウム濃度を測定する装置を作製し、細胞分裂へのカルシウムイオンの関与を追究した。武田はチューブリンをリン酸化する蛋白質チロシンキナーゼを可溶化し、その多様性を明らかにした。上田は細胞核における機能をポリ(ADP-リボース)との関連から明らかにするために、その分解酵素であるポリ(ADP-リボース)グリコヒドロラーゼを均一に精製して性質を明らかにした。エネルギー代謝に関しては、山村がホスホリラーゼキナーゼの自動リン酸化による活性化について研究し、ホスファチジルイノシトール代謝回転の関与や、活性化反応がカルシウムイオンに対する親和性の増加を伴なうことを見出した。
|