研究課題/領域番号 |
60123005
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
野沢 義則 岐阜大学, 医, 教授 (10021362)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1985年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
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キーワード | 分泌応答 / レセプター / カルシウムイオン / 情報伝達 / イノシトールリン脂質 |
研究概要 |
諸種の細胞、すなわち多形核白血球、リンパ球、血小板、肥満細胞、平滑筋細胞、味細胞をそれぞれの固有刺激を与えた際の細胞膜リン脂質代謝の変化およびカルシウムイオンの動態を検討し、情報伝達機構におけるイノシトールリン脂質分解の調節機構に新しい知見を提供した。走化性ペプチドによって活性化される好中球のホスホリパーゼCの活性調節にGTP結合タンパク質が重要な因子として作用することが明らかにされた。さらに、この酵素の抑制因子であるサイクリックAMPの効果のカルシウムイオンによる解除はカルモデュリン系を介することが示された。血小板および肥満細胞のアゴニスト刺激に伴う分泌応答が低濃度のホルボルエステルの前処理で抑制されるが、プロティンキナーゼCの阻害物質を用いた実験から、カルシウムイオンの細胞内上昇とイノシトールリン脂質分解の阻害がプロテインキナーゼCによって惹起されることが明らかとなり、この酵素が刺激応答における促進と抑制の二役効果をもたらすことが示唆された。一方、ホスホリパーゼCの活性調節機構の解明のために血小板とリンパ球からの精製が試みられ、膜結合型と細胞質型との二種類の存在が確かめられるとともに、カルシウムイオン依存性にも差が認められた。味細胞の応答は受容膜に結合しているカルシウムイオン量と相関しており、カルシウムイオン量が少ないと応答は増大し、多いと減弱することが示され、またノルエピネフリン放出には味細胞底部の細胞膜を介するカルシウムイオン流入が必要であることも明らかにされた。白血病細胞の抗ガン剤耐性株におけるカルシウムイオン動態が正常株と異なっており、耐性株細胞では膜結合性のカルシウムイオン含量が高いことが示された。
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