研究課題/領域番号 |
60124001
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村松 正実 東京大学, 医, 教授 (10035454)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1985年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
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キーワード | rDNA / RNAポリメラーゼ【I】 / 転写因子 / TFID / TFIA / 欠失変異体 / 転写開始複合体 |
研究概要 |
前年に引続きマウス及びヒトのリボソームRNA遺伝子(rDNA)と、それぞれの種に由来する細胞抽出液を用いたIn Vitroの転写系によって、1.転写開始複合体の形成機構、及び、2.プロモーター変異体の転写因子結合能、について解析を行なった。 1.ではpreincubation-pulse label実験によって、転写開始複合体の形成にはRNAポリメラーゼ【I】の他に少なくとも2つの補助因子(TFIDおよびTFIA)が必要である事が明らかとなった。 即ち、鋳型rDNAに先ずTFIDが結合し、続いてTFIAとRNAポリメラーゼが、恐らくこの順序に結合して前開始結合体となる。更に、他のNTPを加えると、鎖伸長が始まり、この時、RNAポリメラーゼ【I】のみが鎖伸長を行ない、TFID、TFIAはプロモーター部位に残って、次のRNAポリメラーゼ【I】の進入を迎え、新たな転写開始が起こる。 2.では、遺伝子工学的に作成したrDNA変異体を細胞抽出液とインキュベートし、その後に野生型rDNAを加えて転写を行なわせ前者の転写必須因子の結合能を定量的に測定する方法を開発し、各種の欠失並びに置換突然変異体を比較した。その結果、5′側の欠失変異体のTFID結合能の低大は、転写効率の低下とほぼ比例し、-40〜-1の間が、その結合に必要である事がわかった。又3′側の欠失変異体の結合能の低下は、転写効率の低下より遅く、+40〜+1の間は結合能には大きな影響はないが、転写開始反応には重要であることが証明された。又、転写効率が10%以下になる-16のG→A変異体は、結合能が低下しているが、転写活性を全く失なった-7のG→A変異体は、野生型とほぼ同様の結合能を持っている。従ってこの変異体はTFIDの結合から先の転写開始反応に障碍があるものと考えられる。
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