研究課題/領域番号 |
60124004
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柳田 充弘 京都大学, 理, 教授 (80025428)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1985年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
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キーワード | 染色体 / 人工染色体 / 動原体 / 反復配列 / 性染色体 / 染色体凝縮 |
研究概要 |
本研究は、染色体の分離・分配、維持等染色体機能に不可欠なDNAドメインを同定し、またモデル染色体の作成およびその試験管内操作を可能とすることを目標として設定した。以下に述べるように、本年度の研究目標は充分に達成できたと考えられる。 1.分裂酵母S.pombeの第【II】染色体の動原体のクローン化に成功した。染色体ウォーキングと染色体組込みの併用による、動原体領域を含む約270KbのDNAをクローン化し、塩基配列決定を含む詳細な構造解析を行なった。その結果、約60Kb長の反復配列を含むドメインに動原体DNAが含まれ、この領域ではほとんど組換えが起こらないことが判明した。しかも、反復配列のうちのひとつは、第【I】および第【III】染色体の動原体領域にも存在し、全染色体の動原体に共通であった。この動原体反復配列は染色体維持に必須であった。大腸菌Fプラスミドの分離を調節する宿主の突然変異株を多数分離した。 2.分裂酵母S.pombeにおいて、人工染色体の作成に成功した。この人工染色体は約400Kbの長さで、第【III】染色体の動原体領域とその近傍にある三つの遺伝子を含んでいた。両末端にはテロメア配列が存在する。この人工染色体の挙動は大変興味深く、減数分裂過程において染色体の対合に異常がみられ、二価染色体形成頻度が減少した。 3.ヒトの染色体凝縮に直接関与する遺伝子のクローン化に成功した。現在CDNAクローンの塩基配列を決定中である。 4.ニワトリ性染色体に特異的な反復DNA配列のクロマチン構造を調べた結果、特異な構築をしていることが明らかになった。 5.【II】型のDNAトポイソメラーゼが関与する、非相同的なDNA組換え現象を明らかにした。
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