本特定研究は、遺伝情報の具現、制御にかかわる生体機能を、これらの機能を指定する核酸のコンフォメーション・シグナルの構造的基礎とその識別機構の解明に集約して研究し、遺伝的生体制御についての理解を深めることを目的としている。上記研究達成のため昭和62年度までの3ヶ年の実施計画を立て、本年度はこの総括班と6つの計画研究班、10の公募研究で組織した。本総括班は、この特定研究の実施に関する基本方針を定め、班員間の研究連絡や情報交換を促進することにより、研究の円滑な実施をはかることを目的として、代表者、各研究班・班長および関連領域の研究者(計15名)で構成した。本年度の研究活動は、班長会議および総括班会議で基本方針と具体的な活動計画を立案して行なった。実施した主な事業は次のとおりである。 a) 公開シンポジウムの開催:「核酸コンフォメーション」という課題で第一回の公開シンポジウムを、11月5日、京大会館で開催したコンフォメーション研究に関して班員によって挙げられた成果を中心に講演と質疑、応答を行ない、また今後の展望について討論した。 b) 合同班会議の開催:全班員か参加して討論する合同班会議を12月6日、7日の両日、開催した。この会議に用いた資料は「合同班会議資料集」としてまとめて印刷した。 c) ワークショッフの開催:本年度は2つのワークショッフ、「調節系の分子的解析」と「染色体の構築」を開催した。前者は1月16日より3日間、若手申心に約30名が参加して群馬県水上町の「たにがわ館」で行ない、後者は2月6日から2日間、京都市左京区の国家公務員共済組合宿泊所「くに荘」で開催した。 d) その他、サーキュラー、研究報告書の刊行等を行なった。
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