研究課題/領域番号 |
60127002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三輪 史朗 東京大学, 医科研, 教授 (40034954)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
1985年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
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キーワード | 血液疾患 / 異常ヘモグロビン / サラセミア / ピルビン酸キナーゼ欠乏症 / ピリミジン-5′-ヌクレオチダーゼ欠乏症 / 赤血球酵素 / 遺伝病 / 赤血球膜 |
研究概要 |
1.宮地はわが国で最初の超不安定ヘモグロビンHbToyamaを、【^3H】標識ロイシンで患者網赤血球からグロビン鎖を合成して解析し、單一アミノ酸置換部位を決めることに成功した。今井は宮地から提供されたHbHimeji、川崎医大原野ら提供のHbMitoについてヘモグロビンの酸素結合能の詳細な検討結果を報告した。2.今村はわが国でのサラセミア(ヘテロ接合)の頻度は予想外に高くて約0.1%であることを示すとともに、1例のβサラセミア症例の遺伝子解析を行い、第2イントロンの654番のシトシンがチミンに置換したために異常なmRNAが産生されることにより発症することを明らかにした。3.田中はピルビン酸キナーゼのラットL型遺伝子の全塩基配列を決定した。今後ヒトL型遺伝子の塩基配列が決められると、ピルビン酸キナーゼ欠乏による遺伝性溶血性貧血例の遺伝子レベルでの病因の解析につながるので、成果が期待される、三輪はピリミジン-5′-ヌクレオチダーゼ(P5N)異常による遺伝性溶血性貧血につき検討し、まづ正常P5Nに2種があることをクロマトグラフィーによる明確な分離で明かにし、P5N異常症ではそのうちの1つのアイソサイム(【I】型)の構造変異によることを示す成績を得た。4.中尾は赤血球から脂肪層を除いた裏打ち構造(骨格タンパク)を得る努力をし、膜をトリトン処理したのちトリトンを除去すると、生理的条件イオン強度下で、カルシウムイオンで収縮ATPで膨張する裏打ち構造を得ることに成功した。今後膜の分子構築を明らかにするうえに重要なものとして注目される。八幡は膜脂質異常が主体と考えられる高ホスファチジルコリン溶血性貧血、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)欠乏症、βリポタンパク欠乏症の脂質異常についての分析成績を報告した。わが国で高ホスファチジルコリン溶血性貧血は6家系8例の夛きにおよんでいることも明らかとなった。
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