研究課題/領域番号 |
60127005
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
八木 国夫 名古屋大学, 医, その他 (00022749)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1985年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | 酵素補充療法 / リポソーム / 化学修飾 / 固定化酵素 / 先天性代謝病 / ニーマン・ピック病 / スフィンゴミエリナーゼ |
研究概要 |
本研究課題では、酵素の欠損あるいは異常に基づく先天性代謝病に対する酵素補充療法の開発を最終目的として、まず当該酵素の調製、修飾ないし固定化を行い、また本目的に合致するキャリアーとしてのリポソーム系を開発し、これらと細胞、組織との相互作用について研究することおよびその臨床応用への可能性を明らかにすることを目指して疾患モデル動物を用いた酵素補充療法を試みることを計画した。本初年度で得られた結果は下記の通りである。 1.ガラクトース含有糖脂質を挿入したリポソームによる肝ターゲッティングを試み、リポソームの膜流動性の重要性を明らかにした。 2.グリセロ糖脂質を含むリポソームが血清中で安定であり、ヒト好中球に最も効率よく移行することを示した。 3.リポソームを多糖で被覆することによって安定化し、これにモノクローナル抗体を結合させて組織指向性を高めた。 4.リポソーム構成脂質濃度を高めることによって封入効率の高い、比較的大きさの均一なリポソームを調製することも試み、その可能性が認められた。 5.ラット脳の神経終末にβ-D-ガラクトシドを認識する機構の存在を見出し、神経軸索への酵素輸送の可能性を示した。 6.酵素補充療法の一環として体外循環方式での固定化酵素の応用を計画し、血清Mgの酵素的分析を例にとって、複数酵素の同時固定化が反応率の向上に有効であることを明らかにした。 7.酵素補充療法に伴う生体ホメオスタシスの乱れについて検討する為に、血中フェニルアラニンとトリプトファンの酵素的除去に伴う生体内アミノ酸パターンや中枢神経活動等の変化を追跡する方法を確立した。 8.ニーマン・ピック病の欠損酵素であるスフィンゴミエリナーゼを大量に調制し、化学修飾およびリポソーム包埋により安定化した本酵素による本疾患モデルマウスの治療を試み、応用の可能性を見出した。
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