遺伝生化学、分子生物学、農学、小児科学、内科学など広い研究分野の研究者が協力して、先天性代謝病の病因解析と治療の研究を多角的、且つ綜合的に進めてゆくには、各研究班の密接な連けいと情報の交換が必要であり、そのために昭和60年度は総括班会議を3回開催し先天性代謝病ニュースレターを3号発行し、研究協力が十分に行わるように配慮した。その効果もあって、アルギナーゼやOTCのcDNAが臨床の研究者に分与され、アルギナーゼ欠損症やOTC欠損症のDNA分析が進められている。また、ニーマンピックマウスや無アルブミンラットが異る研究班の研究者に分与されて、その病因解析や治療の研究に活発に利用された。そして、ニュースレターを活用してCTXの研究者がその動物モデルを探し、稀な先天性代謝病の研究者は、分析を行う上で必要な血液や臓器や培養線維芽細胞の分与を依頼し、その紙面を大いに活用した。 各研究班の年度末班会議を開催するに当っては、他の研究班に属する班員や研究協力者が自由に参加できるように隣接した会場を総括班として準備し、関連した研究の進渉状況が伝達できるように配慮し、特に「先天性代謝異常症の分子遺伝学的研究班」と「先天性代謝病動物モデルによる病因分析と治療に関する研究班」の班会議では、協同研究を推進する上で重要な報告が多いので、全員が参加できるように配慮し、更に本年度に高い業績が得られた各研究班の研究者に公開シンポジウムで講演を依頼すると共に、各研究者の意見の交換を活発にし本研究班の研究が一層推進されるように配慮した。 なお、本年度の研究業績集については期日内に全班員から原稿が送付されており、予定通り関係者に送付できる。
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