研究課題/領域番号 |
60129030
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大木 道則 東京大学, 理学部, 教授 (40011407)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
51,000千円 (直接経費: 51,000千円)
1985年度: 51,000千円 (直接経費: 51,000千円)
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キーワード | 量子化学 / 分子力学 / 分子内部回転 / 安定回転異性体 / ESR / DNMR / スフェランド / クラウンエーテル / 結晶場 / 有機強磁性体 / イオン性炭化水素 / 両性炭化水素 / チエノチオフェン |
研究概要 |
「分子設計理論」においては、オキサゾールの光異性化、1.4-ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンにおける結合を通しての電子の相互作用、スピン多重度の大きい芳香族炭化水素の予想に関する理論的研究に成果をあげた他、脂肪族アセタールの安定配座に関する予測を行い、万能型分子力学力場の開発に進歩が見られた。 「分子の動的挙動の設計」においては、9-アリールフルオレン回転異性体において、立体的および電子的要因がその反応性に顕著な効果を表わすこと、クラウンエーテル系ラジカルにおいて、その分子内運動がESRによって研究できることを発見した。またゲルマシクロヘキサンのNMRから、分子の反転は非常に速いことを明かにした。 「相互作用場の設計」においては、アゾフエノールを含むスフェランドを合成して、それがリチウムイオンに対して特異的に発色することを見出し、X線構造解析によってその理由づけをすると共に、光および酸化還元に応答するクラウンエーテルを合成した。また ある種のジアセチレンジオールが種々の分子を結晶場に取り込むことを見出し、その場で光反応をさせることによって、溶液中では得られない結果がおこることを発見した。 「新規物性発現のための不安定分子種の設計」においては、〔2,2〕パラシクロファンに2個のカルベン単位を導入し、ESR測定の結果、ポリカルベン分子の配列が適切であれば強磁性を示し得ることを発見すると共に、炭化水素でイオン解離する分子の合成に成功した。 「電子移動に基づく機能設計」においては、フエナレンが陽イオン、陰イオン、ラジカルのいずれでも安定であることに着目し、2個のフエナレンを共役系でつないで両性化合物を合成した他、アズレノメタシクロファンに種々の渡環反応がおこることを明かにした。また、チエノチオフェン誘導体の合成に成功した。
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