研究課題/領域番号 |
60129034
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西條 八束 名古屋大学, 水圈科学研究所, 教授 (70022506)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
64,000千円 (直接経費: 64,000千円)
1985年度: 64,000千円 (直接経費: 64,000千円)
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キーワード | 生物相互作用系 / メソコスム / 実験的解析 / 安定同位体比 / 諏訪湖 / 人為的パータベーション / 波及効果 |
研究概要 |
本研究は、構成生物が小型で生物相互の働き合いが活発で実験的解析が可能な湖沼生態系を研究対象として、生物相互作用系の内的制御機構を解明することを目的とする。本研究の特色は上記の目的を達成するため、湖の中に設置した人工隔離水界(メソコスム)内の構成生物を人為的に変化させた時の他生物への波及効果を追求することにより、生物相互作用系の調節機構を実験的に解析することを中心的手法とする。また安定同位体比の分別を指標にして食物連鎖関係を追求する新しい手法を使用する。 本特定研究の第1年度である昭和60年度は、長野県諏訪湖下諏訪沖に5基のメソコスムを設置し、以後の実験的解析に必要とされるメソコスムの特性把握を行うと共に、構成生物を変えた時の波及効果の度合とそれに必要な調査法の検討を行った。また安定同位体比を指標とする相互関係の解析に必要とされる各種生物について同位体比の測定を行った。メソコスムは8月23日に設置後1週間の予備調査を経て、9月8日から10月12日までカワチブナを投入した影響を全ての生物と水質について追求、さらに10月26日から11月23日までペリヤジを投入した実験を行った。水温下降期にあたっていたため、魚投入の影響は強くは見られなかったが、底泥のある系とない系との間に構成生物、水質の有意な差が生じた。設置したメソコスムは系内でほぼ湖水が均一である上、2つのメソコスム間に大きな差を生じなかったことから、実験的解析に十分可能な系であることがわかった。蕘光を行ったメソコスムでは植物プランクトンを中心に顕著な変化が見られ、相互作用の解析に有効であることがわかった。生物試料の安定同位体比の測定による、対象とした諏訪湖における食物連鎖関係の概要を知ることができた。以上の研究により、昭和61年度よりの生物相互作用系の実験的解析に必要な準備はほぼ完全に出来たと判断される。
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