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ミリケルビン領域におけるビスマスの超音波巨大量子減衰

研究課題

研究課題/領域番号 60203002
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

深瀬 哲郎  東北大学, 金材研, 教授 (90005900)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード磁気音響効果 / 超低温 / 強磁場 / 半金属 / 電子相転移 / 多体効果
研究概要

電子・正孔系の多体効果によって生ずる励起子相あるいは気相・液相型の電子相転移は、これまでいかなる物質においても確認されたことのない興味ある電子凝縮である。超低温強磁場下のビスマスは、この相転移の出現が期待される物質であり、超音波巨大量子減衰に現われている数々の異常はその前駆現象である可能性が指摘されている。本研究はこれらの新しい量子凝縮相を探索するとともに、原因となる多体効果の研究を目的としている。
今年度は、特に、顕著な異常が観測される音波の波数ベクトル【→!q】 (【→!q】は結晶のZ軸方向)と磁場ベクトル【→!H】が垂直に近い場合について詳細な実験を行い、次のような結果を得た。1.【→!q】と【→!H】の間の角度をθで表わすと、巨大量子減衰のピーク値αpのθ依存性は、2.5T以下の低磁場に現われる正孔との相関の強い電子ピークの場合、αp対θ曲線にθ=94°でαp【〜!〜】70dB/cmにも達する巨大なピークの存在が確認された。さらに、8T付近に現われる電子との相関がきわめて弱い正孔の単独ピークの場合、αp対θ曲線に、91.6°<θ<92.0°において最大αp【〜!〜】70dB/cmのより鋭い極大が観測された。このαpの異方性に対し、拡散係数の異元性を考慮した小野・福山の最近の理論による解析を試みた。θ<96°の実験結果は、理論からの期待値の数倍〜数十倍であり、特に強磁場の正孔単独ピークで著しく、この領域では未知の減衰機構が存在することを示している。2. 理論との不一致が顕著なθ<94°におけるαp対温度曲線に相転移の出現を示唆するような極大が出現する。この極大の出現は正孔単独ピークについても確認された。極大の起る特性温度Tpは、音波の周波数の約1.5乗に比例して変化する。Tpの周波数依存性の存在は、その出現が励起子相、あるいは、気相液相型転移によるものではないことを示している。現在、一種の非平衡相の発生の可能性を追求している。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] J.Phys.Soc.Jpn,. 54-8. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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