研究課題/領域番号 |
60211010
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白石 振作 東京大学, 生技研, 教授 (30013163)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 含窒素縮合多環芳香族化合物 / ポリアザポリアセン / 電子受容体 / 電荷移動錯体 / 重縮合系高分子 / プロトトロピー |
研究概要 |
1.含窒素縮合多環芳香族化合物は、その構造により種々の分子機能を賦与し得ると期待される。ポリアザポリアセン類は両末端置換基の選択により、電子受容能の制御が可能であり、かつ、重縮合系高分子主鎖骨格への導入が可能であり、その部分的還元体は多様なプロトン互変異性体をとることからプロトンキャリヤーとしても有望な化合物群であると考えられる。本研究は、それらの可能性を検討するために標記化合物群を合成し、その物性を検討し、有機薄膜材料への応用をはかることを目的とする。 2.昨年度に引き続き、各種の縮合ピラジン骨格を有するポリアザポリアセン誘導体を合成し、それらの各種電子供与体との間の電荷移動錯体の生成に関して電子スペクトル的に検討した。ジヒドロ体の酸化による芳香族化は困難であり、純粋に単離できたものは現段階ではテトラシアノテトラザナフタレン(TCTAN)のみである。TCTANは強い電子受容能を示し、N-メチルイミダゾール、各種アミン類のみならず、芳香族炭化水素とも電荷移動錯体を形成する。そのジヒドロ体(TCTAN-【H_2】)は二段階に酸解離し、一段階目の酸強度はピリジンをもとにしてpK2,6程度とかなり強い。両端にベンゼン環の縮環したフルオルビン、フルオフラビンの酸化による全芳香族化を検討中であるが、極めて溶解度が低い為に成功していない。溶解度の改善と重縮合用モノマーへの誘導のために置換フルオフラビンの合成を行った。いずれも大巾な溶解度の改善が見られた。両端ベンゼン環の酸化によるテトラカルボン酸二無水物の合成を検討しているが未だ純粋な単離には成功していない。
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