研究課題/領域番号 |
60211014
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田仲 二朗 名古屋大学, 理, 教授 (70022514)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ポリアセチレン / ドーピング / 荷電ソリトン / 導電性高分子 / 反射スペクトル |
研究概要 |
ポリアヒチレンに代表される高分子は、共役鎖上に正または負の余分の電荷を持つことができる。この電荷量に対応して、どのようなスペクトル変化がおこるかについて、分子構造、電子構造を中心にして研究を行った。それにはまづ基礎として、ポリアセチレン薄膜の厚さを測定する方法を確立し、これにより複素誘電率と、各種の光学定数を決定した。ヨウ素およびナトリウムをドープした試料について、ドーパント量を正確に分析し、このドーパント量に対応させて、光学スペクトルの変化を研究した。ヨウ素ドーピングの場合、濃度が低い時には、三ヨウ化イオンとして存在するので、主鎖の荷電量は、ヨウ素原子の3分の1であるが、その5%位まで、またナトリウム ドーピングの時には、10%位までは、 電子吸収スペクトルに、バンド間遷移エネルギーの半分位のところに、 いわゆるミツド・ギャップ・バンドが出現し、その強度は、ほぼドーパントの濃度に比例することが示された。ヨウ素をドープした場合に、主鎖の荷電量が6%をこえると、自由キャリヤーの生成によると思われる強い反射スペクトルが観測されるようになる。ナトリウム ドーピングの時には、ナトリウム濃度が12%附近で、ラマン スペクトルに大きな変化がおこり、主鎖の構造に、大きな変化の生じたことが示される。これらの結果は、低いドーピングの程度では、主鎖には荷電ソリトンが、対を作って生成され、高いドーピングでは、主鎖はラジアル構造を主体にした、新しいポーラロン格子が形成されていることとして説明される。 上述のポリアセチレンについての研究の他に、ポリピロールの電導機構と関係して、ポリピロールの反射スペクトルの解析が行われ、 バイ・ポーラロンのすべり運動について研究した。またポリアニリンについても反射スペクトルの研究が行われた。
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