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人工膜による分子認識-自励発振現象の応用

研究課題

研究課題/領域番号 60211022
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関徳島大学

研究代表者

吉川 研一  徳島大学, 教養, 助教授 (80110823)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード味覚 / 嗅覚 / 興奮現象 / 化学センサ / 非線形非平衡
研究概要

本研究は、生体の分子認識機構を学ぶ立場から、膜の興奮性に注目し、興奮性人工膜により分子認識を行うことをめざしている。昨年度は、各種の興奮性人工膜を用いて、研究をすすめた結果、これらの人工膜は、種々の化学物質を、電位振動の振動数・振巾・周波数変調度ならびに波形の情報に基づいて、認識できることを明らかにした。本年度も、このような研究を発展させたが、なかでも、興奮性薄膜の作製において、注目すべき成果が得られた。以下、その概略を記す。
生体系においては、神経興奮が膜内外のNa,Kイオン濃度差によって駆動されている。このような機能をもつ生体膜は、リン脂質の二分子層よりなる厚さ、百Å以下の薄膜である。そこで、私達は、3つの異なる方法で、リン脂質薄膜を製作した。すなわち、面積1m【m^2】程度の黒膜(BLM)、径数μmのピペットの先に固定化した二分子膜(ピペット・クランプ法)、およびLangmuir-Blodgett法によりミリポア膜上に移し取ったリン脂質薄膜(LB膜)の人工膜系を用いた。いずれの場合も、自発的な電位振動や、電気的ゆらぎが見い出された。さらに、これらの膜は、スイッチング・負性抵抗や記憶効果(ヒステリシス)などの機能をもつことも明らかになった。從来、生化学や生理学の分野では、膜の興奮には、チャネルタンパク質の存在が不可欠であると信じられてきた。今回の実験結果は、タンパク質が存在しなくても、リン脂質だけでも、興奮現象や、イオンチャネルの開閉が可能であることを意味しており、生命現象との関連においても興味深いと思われる。
上述した以外にも、合成高分子膜において、自発的な電位振動をおこすことができることを示した。これらの研究成果に立脚して、膜の興奮性を利用した、全く新しい型の、情報変換・認知システムを提案した。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Biophysical Chemistry. 21. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Biochem.Biophys.Res.Commun.133-2. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Makromol.Chem.Rapid Commun.6. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Biophysical Chemistry. 22. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Langmuir. 1-2. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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