研究課題/領域番号 |
60211024
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長村 利彦 九州大学, 国立大(その他), 助教授 (90117200)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1985年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 単分子累積膜 / 光情報変換 / 分子配列 / ポルフィリン / 光電応答性 / フォトクロミズム |
研究概要 |
光吸収基や酸化還元基の距離、配向、酸化還元電位などを規制した複合単分子累積膜を構成し、導電性の分子制御を試み、エレクトロクロミック機能性化合物をくみこんで光酸化還元反応を利用した光情報変換、蓄積系を構成することを最終目標としている。本年度は、複合単分子累積膜系の構成、その分光学的特性評価及び光電応答性の検討固相及び液相での可逆的フォトクロミズムの検討などを行い、次のような成果が得られた。 1)DDAの累積膜における分子配列を偏光吸収スペクトルの入射角及び偏光角度依存性から詳細に調べ、アロキサジン環の膜面及び基板の引き上げ方向に対する二軸配向を明らかにした。また、角度依存性の理論曲線との比較から、分子配列の程度を評価した。さらに、累積膜中のアロキサジンの吸収スペクトルが、n-ヘキサン中に比べてシフトしていることから、膜中でのアロキサジン環の会合が明らかになった。 2)両親媒性ポルフィリン累積膜系にサンドイッチ型にアルミニウムを蒸着した系をクライオスタット内に配置し、モノクロメーターを通したキセノンランプで光照射し、光電流の波長依存性を温度および外部バイアス電圧をかえて測定した。定常光電流が観測され、そのアクションスペクトルは、ポルフィリンの吸収スペクトルとよく対応した。定常光電流は温度の低下とともに減少し、バイアス電圧とともに増加した。また、パルス色素レーザーにより累積膜系を励起し過渡光電応答も調べた。 3)4.4'-ビピリジニウムイオンのテトラキス[3.5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート塩の固体状態及び溶液中の電荷移動(CT)吸収帯を光励起することにより、黄色から青色への可逆的フォトクロミズムが観測された。これは、励起CT状態からの電荷分離により生成した4.4'-ビピリジニウムカチオンラジカルによるものである。その機構など詳しく検討中である。
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