研究課題/領域番号 |
60211026
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
田中 誠 大阪府立大学, 工, 教授 (40081327)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 色素 / 高分子界面 / 光電変換 / クロロフィルa会合体 / メロシアニン |
研究概要 |
緑色植物のチラコイド膜で色素集団とタンパク質との相互作用により色素電子が数種の吸収極大波長を異にするフォームを形成して非常に高い光電変換効率を達成していることに着眼し、色素層と高分子半導体膜との界面を光電変換の場としてとらえる表題の研究の一環として、今年度は高分子一色素系における色素のフォームのちがいが光電変換特性におよぼす影響を中心に検討し、二三の興味ある知見を得た。 ジメチルスルホキシド(DMSO)からガラス板上にキャストされたポリ酢酸ビニル(PVAc)-クロロフィルa(chl)混合膜のchlフォームは695nmに吸収極大を有するが、これを水中に浸すと695から746nmへのシフトが観測された。一方、ジオキサンからキャストされたPVAc/chl混合膜のchlフォームは、chl-ジオキサン会合体であり、692nmに吸収極大を示すが、これを水に浸すと692から668nmへのスペクトルシフトが観測された。668nmのフォームはモノメリックchlであり、746nmのそれはポリクリスタル型二水和会合体(chl・2【H_2】O)nである。これらのフォームの異なる二種のPVAc/chl薄膜をコーティングした白金電極の電位を銀/塩化銀電極を参照極、白金黒電植を対極としてpH7の緩衝液中で測定したところ、モノメリックのchl電極は光照射により40mVから70mVへ正方向への電位シフトが認められた。一方、二水和会合体電極は光照射によって260mVから220mVへ負方向への電位シフトが認められた。 金/エチルメロシアニン(MC)/ポリビニルアルコール(PVA)/金型サンドイッチセルにおいて、MCは吸収極大波長を520と580nm付近にもつ異なる2つのフォームをとるが、光電流アクションスペクトルから580nm付近に吸収をもつMCのフォームが光電変換には有効であることが認められた。
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