研究課題/領域番号 |
60212001
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中山 恒義 北海道大学, 工, 助教授 (80002236)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 高周波音波 / GaAs / フォノン分光 / 熱パルス / 超伝導ボロメータ / 液体ヘリウム界面 / 格子力学 |
研究概要 |
ここで扱った主題は二つあり、一つは電子材料としても重要なGaAsにおける超高周波音波の伝播に対する、フォノン・イメージング(音波の映像化)と、二番目はこの高周波音波を利用したHe【II】・固体界面での超高周波音波の透過の問題である。 フォノン検出器に熱パルスが到着するとボロメーターが温められ、その超伝導状態が破れて抵抗が急激に増大するので、それによりフォノンの強度を知りそれをブラウン管の輝度に対応させると、どの方向に熱パルスが集中しどの方向に集中しないかという、フォノンの集束パターンを見ることが出来る。集束パターンは、w-surfaceの形状と一意的に対応するが、w-surfaceを決めるのはwとqの間の分散関係であるからフォノン集束効果の議論には、分散関係を再現する格子力学のモデルを必要とする。本研究では、GaAsの分散関係をよく再現するRigid ion modelを構築し、それに基づいて解析を行なった。解析手段としては、空間的にincoherentな音波が実空間で描く集束パターンをモンテカルロ法により計算し、結果を映像法で得られた像と比較した。 He【II】・固体間での超高周波音波の透過:最初に問題にしたことは、ヘリウムがない系で散漫散乱の裾をどのように理論的に説明するかであった。バルク・フォノンが表面に入射して、反射されると検出器が受ける信号は、最短距離で帰る信号と散漫散乱により時間遅れで帰るものがあることがわかった。モード変換された表面・フォノンが、液体ヘリウムに接した表面を伝播して、表面粗さにより固体へ再散乱されるより早くヘリウム系に吸収されるなら、このモード変換された成分は液体ヘリウムに接したとき消えることがわかった。
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