研究課題/領域番号 |
60212010
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西 敏夫 東京大学, 工, 助教授 (70134484)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1985年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 低周波断熱圧縮率 / 音速 / 吸収 / 臨界現象 |
研究概要 |
低周波断熱圧縮率測定法は、二成分臨界溶液、液晶等の数KHz以下の動的物性の研究に、極めて有効であるが、その応用範囲を、生体高分子溶液等に広げるには、高精度化が是非必要である。 そこで、高精度化を目指し、圧電積層体、並びに、電力増幅器を使用することにより、励振体積変動振幅は、従来に比べて、2桁から3桁大きくなり、S/Nは、相当向上した。又、電極部分を試料と接しない構造としたことにより、従来測定が困難であった水溶液系等、電気伝導度の高い系に対しても、適用が可能となった。 励振体積変動振幅の増大に伴ない、圧力センサーからの出力電圧が増し、これまで用いてきたロックインアンプによるアナログ処理にかわって、ディジタル処理が可能となった。低周波においては、位相角測定そのものが、時間遅れ測定に対して不利である。すなわち、低周波では、位相角遅れとしては小さくても、時間遅れとしては、十分大きく、トランジェントレコーダーを利用して、時間遅れをディジタル的に算出する方が高精度の測定が可能となる。具体的には、参照信号出力信号を、それぞれ、十分なクロックスピードで、ディジタルサンプリングし、その信号に対して、それぞれA sin wt+B cos wtの形の関数の最適あてはめを、G ram-S chmitの直交化法により行ない、振幅比、位相遅れを、それぞれ算出するわけである。 又、ディジタル処理が可能となったことにより、従来の周波数ドメインでの測定のみならず、時間ドメインでの測定も可能となった。このような測定法が可能であるのは、本方法が非共振法であることによっている。ステップ的な励起に対する応答に、フーリエ変換を施すことにより、周波数スペクトルを得ることができるようになった。 上記のディジタル処理により、複素断熱圧縮率の実部・虚部の精密な測定が可能となった。
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