研究課題/領域番号 |
60212016
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山西 正道 広島大学, 工, 教授 (30081441)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1985年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 光音響分光法 / 半絶縁性GaAs基板 / 二波長励起 / 非発光再結合 |
研究概要 |
電流注入音響法による半導体レーザ非発光過程の研究により、すでにバイアス電圧と音響信号の発生、そのレベルとレーザ劣化の対応関係を見出した。しかしこの関係をよりよく理解するためには、非発光再結合過程自体をより一層明確にする必要が生じた。そこで新たに開発した非接触光音響分光法を用い、GaAs結晶における非発光再結合の研究を進めた。具体的には、光-電子集積回路用基板として重要な半絶縁性基板について、通常半導体レーザ用基板として用いられる高品質SiドープGaAs基板と比較検討する形で研究を進めた。 まず発光再結合過程であるホトルミネッセンスを比べ、SiドープGaAsが半絶縁性GaAsより約2桁高いレベルを示す事を確認した。これに対し、非発光再結合過程を反映する音響信号レベルは半絶縁性GaAsの方が2桁程大きく、両過程が互いに相補的特性を示す事を確認した。また音響信号特性は、SiドープGaAsでも弱い光入力に対してサブリニア特性を示しているが、半絶縁性GaAsでは非常に顕著な飽和特性を示す事を見いだした。これらの特性は深いトラップを介した遷移レートを計算することで説明可能と考えられ、さらに研究を進めている。 次に、GaAs結晶を外部から光励起した際に問題となる結晶表面について検討を進めた。具体的には上記光音響分光測定において、通常のチョップされた励起光と同時に、別の連続光を同時照射し、表面における非発光再結合とバルクにおける結合を区別する新しい方法を提案した。これは特にGaAs半導体のエネルギーギャップよりホトンエネルギーの大きい連続光を同時照射する事により、表面での非発光再結合の変調成分を飽和させるもので、バルク特性の直接的観察が可能となる。この方法を用いて、ノンドープ、Inドープ、Crドープの各々半絶縁性GaAsについて、転位密度とは直接大きな相関を持たない非発光再結合特性が見いだされ、現在さらに検討を進めている。
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