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新しい超伝導有機錯体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 60213011
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関東京都立大学

研究代表者

池本 勲  東京都立大学, 理, 教授 (00011601)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード有機超伝導体 / 電気伝導 / 電荷移動 / 反射スペクトル / X線構造解析 / 熱起電力
研究概要

TMTSF塩において、超伝導が発見され、有機伝導体における一次元の不安定性を抑えるためには、次元性を増加させることが一つの方法である。そのために電子供与体を非対称にすると、構造や次元性はどのように変化するかを調べ、新しい有機超伝導体を開発する設計指針を得ることを目的とした。本年度は、TMTSFとBEDT-TTFの部分構造を持つ非対称な電子供与体DMET-DSDTFについて研究した。DMET-DSDTFは対応する置換基をもつ1,3-ジセレノール-2-セレノンと1,3-ジチオール-2-チオンのカップリング反応により合成した。精製には高速分取液体クロマトグラフィーを用いた。サイクリックボルタメトリーを用いて電気化学的性質を調べると、第1酸化電位は0.52eV、第2酸化電位は0.78eVであった。この値は、BEDT-TTFとほぼ同じで、エチレンジチオ基を1個導入するだけでも、分子内クーロン反発はTMTSFに比べると、かなり小さくなることがわかった。ラジカル塩の結晶は、THFを溶媒に用い定電流による電気化学的方法により作成した。【C10_4】塩は室温における電気伝導度も大きく(260【Scm^(-1)】)、室温付近では金属的温度変化をしめした。【PF_6】塩は室温では【C10_4】塩より伝導度は大きいが(300【Scm^(-1)】)、温度変化は半導体的挙動を示した。この両塩については熱起電力も測定したが、電気伝導度の温度変化の結果と一致した。【PF_6】塩については、予備的であるが、偏光反射スペクトルの測定とX線構造解析を行った。構造は【(DMET-TTF)_2】【PF_6】とよく似ており、DMET-DSDTF分子はc軸方向にカラムを形成している。そして、DMET-DSDTF分子はかなり二量体化していて、このため、電気伝導度は半導体的温度変化を示すと考えられ、これは反射スペクトルからも示唆される。分子間の重なりもバンド幅も、カラム方向では、TMTTF塩などよりかなり大きいことがわかった。C104塩が金属的挙動を示すことを考えると本供与体は有望な供与体であると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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