研究課題/領域番号 |
60214033
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡辺 慶一 東海大学, 医, 教授 (00055865)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 副腎皮質内側束状層 / ミトコンドリア内グルタチオンペルオキシダーゼ / ステロイド産生 / ACTH / ミトコンドリア内蛋白輸送 |
研究概要 |
【I】.副腎皮質細胞に於けるglutathione peroxidase(GSH-PO)のミトコンドリア(M)内局在: 本来、GSH-POはcytosol(C)で生成される酵素であるが、我々が確立した全細胞内小器管内局在を最も確実に観察出来る免疫電顕法でラット肝細胞を観察した所、ミトコンドリア(M)内にもその局在が認められた。そこで、このCとMからそれぞれ別々に精製されたGSH-POのアミノ酸配列をエドマン分画法で調べた結果、N末端から15番目まで全く同じであり、まず同一蛋白であることが判明した。この肝GSH-POに対する抗体を用いた免疫電顕法でラット副腎皮質におけるGSH-PO局在を観察した所、ステロイド産生のもっと顕著な内側束状層の細胞では、同酵素は主としてM内に認められ、M内でのステロイド産生との強い関連が想定された。そこで、ラットを、【◯!1】下垂体摘除(Hy)、【◯!2】Hy+ACTHの2群に分け同様な観察を行った。その結果、【◯!1】ではGSH-POのM内局在は消失し、強い脂肪変性を示すC内にのみその局在が認められた。【◯!2】では、再びM内局在の発現を見た事より、ステロイド産生の活性化に伴いGSH-POはM内に動員されることが判明した。また、これらGSH-POはWestern blotting testで肝のGSH-POと同一のものであることが判った。また、GSH-POがセレン(Se)依存性蛋白である所から、Seが副腎皮質のGSH-PO生成に及ぼす影響を観察すべく、ラットを【◯!a】Se欠乏食で飼育した群、【◯!b】Se欠乏食+Seで飼育した群とに分け、副腎皮質のGSH-PO局在を、肝などその他の組織のそれと比較しつつ観察した所、欠乏食投与後2週間でほぼ完全にGSH-POは消失したのに、副腎皮質内側束状層のGSH-POは6週まで残存し、これらは殆んどM内のみに偏って局在し、M内GSH-POはC内のものより代謝回転が遅く、長期間保存されるものと想定された。現在、【i】)Se欠乏食飼育にHyを行った場合、【ii】)【i】)にSeを投与した場合についてGSH-POの局在を観察し、同酵素の合成、M内への輸送の関連の追求を試みている。
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