研究課題/領域番号 |
60215008
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
野沢 義則 岐阜大学, 医, 教授 (10021362)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | カルシウムチャンネル / テトラヒメナ / 繊毛膜 / 遺伝生化学的解析 |
研究概要 |
テトラヒメナの繊毛膜小胞を用いて、〔【^3H】〕標識【Ca^(2+)】拮抗剤の結合活性および黒膜法による【Ca^(2+)】-チャンネルの電気的性状を検討し以下の結果を得た。 〔【^3H】〕標識【Ca^(2+)】拮抗剤の結合活性 〔【^3H】〕アジドピンを繊毛膜とインキュベーション後、紫外線照射を行うことにより膜タンパク質との複合体を形成させた。ついで、トリトンX-100にて可溶化されたタンパク質をUltrogel ACA 44カラムクロマトグラフィーにて検討したところ、分子量約20万の位置に放射活性が検出された。この活性は予め非標識ジヒドロピリジン系薬剤で繊毛膜を処理することにより消失することから、アジドピンと膜タンパク質の特異的結合に由来すると考えられる。一方、〔【^3H】〕ニトレンジピン、〔【^3H】〕ベラパミールの結合活性を、ガラスフィルター法にて調べたが、これらの【Ca^(2+)】拮抗剤は繊毛膜に特異的結合を示さなかった。 黒膜法による電気的測定 アゾレクチンで調製された黒膜に繊毛膜小胞を融合させた。その結果、【Ca^(2+)】グルコネート溶液中で約10pSを最小ステップとするコンダクタンスのゆらぎが観察された。黒膜の両側のイオン組成をかえて逆転電位を求め、この【Ca^(2+)】-チャンネルのイオン選択性が低いことが解った。以上の結果から、テトラヒメナ繊毛膜の【Ca^(2+)】-チャンネルは〔【^3H】〕標識-【Ca^(2+)】拮抗剤および黒膜による電気的測定の両方によって検出可能であることが示唆された。なお、我々はすでにアルセナゾ【III】あるいはクイーン2を用いて、繊毛膜小胞の【Ca^(2+)】動態について実験をおこなってきており、上述した【Ca^(2+)】-チャンネルの性状とを現在比較検討している。一方、【Ca^(2+)】拮抗剤の結合タンパク質の精製をすすめ、【Ca^(2+)】-チャンネル分子の実体を追求してゆきたい。
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