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味刺激の受容から受容器電位発生までの過程

研究課題

研究課題/領域番号 60215013
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関長崎大学

研究代表者

佐藤 俊英  長崎大学, 歯, 教授 (60013968)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードウシガエル / 味細胞 / 受容膜 / 基底外側膜 / 受容器電位 / 味刺激 / イオンチャネル / 界面電位
研究概要

カエル味細胞を酸および苦味物質で刺激した場合、どのようなメカニズムで味細胞に受容器電位が生ずるのかを解明した。ウシガエル舌の茸状乳頭内の味細胞に3MKClを満たした微小電極を刺入して、細胞内受容器電位を導出した。1mMHClに対する味細胞の受容器電位は、味細胞の基底外側膜を取り囲む間質液中のいかなるイオン成分を除去しても変化しなかった。したがって、HClの受容器電位の発生には基底外側膜のイオンチャネルは関与しないといえる。しかし、味細胞の受容膜を覆う正常リンガーの表面液を【Na^+】および【Ca^(2+)】欠如修正リンガー液で置換すると、HClに対する受容器電位の大きさは対照値に比べ65%も減少した。同様な結果は、正常な表面液を【H_2】Oで置換しても得られた。また表面液中に1mM【Cd^(2+)】を加えるとHClの受容器電位は同様に大幅に減少した。この結果から、HClの味刺激で誘発される受容器電位の発生には、味受容膜のCa-チャネルを通って運ばれるイオン電流が65%関与し、他に受容膜で生じる界面電位が35%関与するといえる。味受容膜表面に【Ca^(2+)】と【Na^+】が共存する場合、HCl刺激時【Ca^(2+)】チャネルを流れる電流は【Ca^(2+)】と【Na^+】の拮抗作用によって生じる。10mM塩酸キニーネ(Q-HCl)に対する味細胞の受容器電位は、表面液から【Na^+】や【Ca^(2+)】を除去しても変化しなかった。しかし、表面液中の【Cl^-】濃度を下げると受容器電位は大幅に増大した。間質液から【Na^+】や【Cl^-】を除去すると10mM Q-HClの受容器電位は70-80%減少した。間質液に1mMフルセミドを加えるとQ-HClの応答は70-80%減少した。味細胞内に【Cl^-】を注入した後、大きなQ-HCl応答が生じた。このような結果から、Q-HClに対する受容器電位の大きさの約75%は、基底外側膜からの【Na^+】と【Cl^-】の電気的中性的な共輸送で蓄積した【Cl^-】が、味受容膜から出ることで発生し、残りは界面電位によって発生するといえる。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Proc.Jpn.Syn.Taste Smell. 19. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Proc.Jpn.Syn.Taste Smell. 19. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Zool.Sci.2-6. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Comp.Biochem.Physiol.81A-2. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] J.Physiol.Soc.Jpn.47-8.9. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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