研究課題/領域番号 |
60215016
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大地 陸男 順天堂大学, 医, 助教授 (10049025)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Caチャネル / カルシウム電流 / カルシウムチャネル / パッチクランプ / 心筋 / Ca拮抗薬 / ジルチアゼム |
研究概要 |
心筋のCa電流は種々の生体内活性物質や薬物で修飾される。臨床的に狭心症や不整脈の治療に汎く使用されているCa拮抗薬は、このCa電流を抑制するのがその作用機転である。本研究ではCa拮抗薬であるジルチアゼムおよびDHP-218のCaチャネル修飾機序をパッチクランプ法で研究した。 モルモット心臓から単離した心室筋細胞を用い、全細胞型クランプで細胞全体のCaチャネル電流を記録し、細胞接着型クランプで単一Caチャネル電流を記録し、それらに対する薬物の効果を調べた。細胞全体のCaチャネル電流は無Na液を用いることによって深い維持電位からの脱分極でも記録可能であった。 ジルチアゼムの細胞全体のCa電流またはBa電流に対する抑制は刺激依存性のものが主であった。脱分極の反復で次第に電流は減少し過分極レベルに維持することによって抑制からの回復が生じた。我々はBa電流が脱分極中にジルチァゼムによってより速く減少するのを見出した。この様な時間経過の変化を伴う減少が細胞接着型のBa電流記録でも確認された。単一Caチャネル電流では維持電位が脱分極されるとジルチアゼム下ではブランク数の増加が著しかった。多チャネル電流では刺激の反復時に次第に開口するチャネル数が減少した。ジルチアゼムは脱分極中にCaチャネルの不活性化の成立を促し、また不活性化からの回復を遅らせると結論される。これとは独立に活性化も軽度に抑制されたが刺激依存性に不活性化をましてCa電流を抑制するのが主たる機序である。 DHP-218はジヒドロピリジン誘導体系のCa拮抗薬である。この抑制は刺激に関係することなく、維持電位の脱分極によって出現しえた。
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