研究課題/領域番号 |
60217019
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
野口 鉄也 東邦大学, 医, 教授 (80051366)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 先天性甲状腺機能低下症マウス(hyt) / ミエリン形成 / 甲状腺ホルモン單独投与治療 / 母乳 |
研究概要 |
先天性甲状腺機能低下症は精神発達遅滞を伴う先天性代謝異常症のうち、最も高頻度の疾患として知られている。その精神発達遅滞には軽重の差があり、胎生期から出生後にかけての血中の甲状腺ホルモンのレベルの違いによるとされている。これに関して、母乳栄養児では精神発達遅滞は軽く、人工栄養児では重症になるとの報告も出されているが、これに反する報告もあり一定していない。そこで、われわれは大脳にミュリン低形成をもつ先天性甲状腺機能低下症ミュータントマウス(hyt)を用い、母乳を介しての甲状腺ホルモンの投与を試み、哺乳期間のみの治療により、ミエリン形成が完全に回復することを認めた。 すなわち、甲状腺ホルモンを投与期間を、生下日から20日令まで、 20日令から40日令までの二期に分け、投与方法を経口(哺乳期間は母乳を介して、以後は食餌療法)、と非経口(皮下注射)に分け、実験を行った。 その結果、 1) 先天性甲状腺機能低下症マウス(hyt)にみられる大脳ミエリン低形成は甲状腺ホルモン單独投与で完全に回復させ得た。 2) その時期は生下日から20日令までに限られていた。 3) 母体血清サイロキシン濃度が正常の2倍に維持されれば、母乳を介して仔マウスの低甲状線ホルモン血症が改善され、甲状腺機能低下に伴うミエリン低形成を防ぎ得る。 以上のことを明らかとした。
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