研究課題/領域番号 |
60218007
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
首藤 紘一 東京大学, 薬, 教授 (50012612)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1985年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
|
キーワード | インターカレーター / ブレオマイシン / ポルフィリン / 分化誘導剤 / 白血病 / 安息香酸アミド / レチノイン酸 |
研究概要 |
新しい化学療法剤を開発するための新しい考えの導入を目指して研究を進めた。 DNA鎖の切断をする化合物としてDNAヘインターカレートするGluplと酸素活性化能を有するヘミンとを結合させた化合物Hem2Gの改良を企画し、第五配位子としてイミダゾール基を分子内に有する化合物を合成した。 この化合物は予期通と効率よくDNA鎖を切断する、そしてその切断位置はブレオマイシンによる切断の位置と全く同一である。しかしこの化合物は溶解性が悪く、その改善が次の課題である。 新しいメカニズムによる抗がん剤として分化誘導剤が可能である。従来の研究で見いだした安息香酸関連化合物について、構造と活性との関係を調べた。 特にレチノイン酸と安息香酸アミド類のhybrid化合物にも白血病細胞の分化誘導をみとめ、安息香酸アミド類もレチノイン酸誘導体と考えうることを示した。 米国で開発されたエトレチネートについても白血病細胞の分化誘導をみとめ、また、ぼうこうがん細胞BS株の角化阻止がおこることをも見いだした。 ぼうこうがん細胞BS株の角化阻止は鋭敏な検定法として分化誘導による制がん剤のスクリーニングに用いることができる。 安息香酸アソリド類のN-メチル体は分化誘導活性を失なう。このことはアミド結合がトランス体からシス体へ変化した故と考えられ、X線結晶解析により確められた。 この部分の立体構造が活性発現に大きな役割をもつことが推定せられ、 スチルベン誘導体においても同様の構造活性の関係がみられた。 分化誘導物質は癌ばかりでなくソリアシスやリウマチなど増殖性の疾患にも効果のある可能性があり、一層の展開が期待される。
|