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食品の加熱で生ずる発癌物質の遺伝子損傷作用とその促進抑制に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60218023
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関岡山大学

研究代表者

早津 彦哉  岡山大学, 薬, 教授 (10012593)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1985年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
キーワードN-OH-Trp-P-2 / DNA鎖切断 / 活性酸素 / N-OH-Glu-P-2 / 細胞内DNA / MeIQx / 青綿 / ヒト排泄物中変異原
研究概要

人間の発癌要因の多くは環境中に存在すると考えられている。特に食品の加熱調理によって生ずる変異原が、発癌性を有することが明らかになって、食品由来の発癌要因が示唆された。しかしこれら変異原の生体内運命や遺伝子傷害などの生理作用については、ほとんど明らかでない。我々はこれらの点に注目して研究を進め、代表的な変異原Trp-P-2の活性化体N-OH-Trp-P-2に、裸のDNA鎖切断作用があることを見出した。本年はこの鎖切断を抑制あるいは促進する因子を検索し、この機構について調べた。φ×174DNARFIからRF【II】への一本鎖切断は、スーパーオキサイドディスムターゼやカタラーゼによって阻害された。N-OH-Trp-P-2の自動分解で【O(^-_2)】や【H_2】【O_2】が生成することが証明されたが、この反応はシステアミンで抑えられ、DNA鎖切断も抑制した。一方この鎖切断は【H_2】【O_2】により促進された。以上の結果、DNA-本鎖切断は、N-OH-Trp-P-2が自動分解する際に生ずる活性酸素種(【O(^-_2)】,【H_2】【O_2】)によって起こることがわかった。Glu-P-1から合成した活性化体N-OH-Glu-P-1も同程度の一本鎖切断を起こし、同様に活性酸素の関与が示唆された。培養細胞に外からN-OH-Trp-P-2を作用させると、細胞内DNAは強い鎖切断を受けた。この作用が活性酸素によるか否かは今後の課題である。一方焼肉中にはMeIQxという強い変異原が存在する。そこでヒトが焼肉を摂取した時、尿や糞便に変異原が出現するかどうかを調べた。青綿法で変異原を抽出し経時的な活性の変化を見ると、焼肉由来の変異原はヒト腸内に3日間滞留し、膀胱内には12時間しか滞留しないことが明らかになった。これらの変異原を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、糞便から【I】種の、尿からは3種のMeIQxとは違う物質が見出された。ラットにMeIQxを投与し排泄物中の変異原性を調べたところ、MeIQxとは磯った数種の変異原が排泄されていることがわかった。現在これらヒト及びラットの排泄物中変異原の構造を解析中である。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Cancer Res.45,. 5867-5871 (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Jpn.J.Cancer Res.76,. 272-277 (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Mutation Res.143,. 207-211 (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Jpn.J.Cancer Res.76,. 445-448 (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Jpn.J.Cancer Res.77,. 99-102 (1986)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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