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ヒト白血病ウイルス(HTLV)の発癌機構及び感染の診断予防に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60218034
研究種目

特定研究

配分区分補助金
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

吉田 光昭  (財)癌研究会, その他, 研究員 (80012607)

研究期間 (年度) 1985
研究課題ステータス 完了 (1985年度)
配分額 *注記
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1985年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
キーワードレトロウィルス / ヒト白血病ウィルス / ATL / 成人T細胞白血病 / 遺伝子発現の活性化 / 転写エンハンサー
研究概要

ヒト白血病ウィルス(HTLV-【I】)は 九州・四国地方に多発する成人T細胞白血病(ATL)の原因ウィルスであり、この地方の大人の10〜20%が既にこのウィルスに感染している。このHTLV感染によるATL発症のメカニズムを解明し、ウィルス感染とATL発症の予防およびATLの治療法の確立に寄与することを最終目標にし、HTLV-【I】の遺伝子発現とその機能を中心に解析した。我々は既にHTLV-【I】は癌遺伝子を持たない事、細胞DNA上の特定の部位に組み込まれることによる、細胞癌遺伝子の活性化も可能性が低い事を明らかにした。この結果と相補的に HTLV-【I】の特有の遺伝子 pX産物がトランス(組み込まれた部位とは無関係)に作用してウィルス遺伝子の発現を活性化することが見出された。pXは分子量4万の蛋白p40を作ることから当初p40がこの活性を担うとされた。しかし本年度の研究からpXは新しい2つの蛋白p27とp21を作る事が見出され pXは重複遺伝子であることが判明した。pX領域に突然変異を導入することによりpX領域の活性を検討した所 最初の予想通りp40が遺伝子発現の活性を行うことが確実に証明された。しかし新しく同定された蛋白の生物学的機能は未だ不明のままである。
一方p40の作用によりウィルス遺伝子発現が活性化されるために、ウィルスLTRのどの部分が必要かを解析した所、LTRに存在する21塩基より成る3つの反復配列が必要なこと、さらにこの反復配列はエンハンサー活性を示すことも示された。このようなエンハンサー認識に依るウィルス遺伝子の発現活性化は 特定の細胞遺伝子の上にも起ることが予想され、これが感染細胞の異常増殖を説明し得るものとして、また新しい癌化機構の1つとして、大変興味ある点である。

報告書

(1件)
  • 1985 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Proc.Nat.Acad.Sci.USA. 82-24. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Science. 228. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] proc.Nat.Acad.Sci.USA. 82-5. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Virology. 147. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書
  • [文献書誌] Virology. 144. (1985)

    • 関連する報告書
      1985 実績報告書

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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