研究課題/領域番号 |
60219022
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柘植 乙彦 九州大学, 生科研, 教授 (00038572)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ヘテロ芳香族資源 / ピリジン系イリド / 環状付加 / インドリジン骨格 |
研究概要 |
本研究では化石ヘテロ芳香族資源としてピリジン系化合物をとりあげ、その高度利用に関する基礎的研究としてピリジン系化合物から容易に誘導できるN-イリドとオレフィン類との1,3-双極性環状付加反応によるインドリジン骨格合成について検討した。特にこの環状付加反応の立体化学を支配する諸因子を解明し、立体選択的なインドリジン骨格の合成法の確立に研究の焦点を絞った。 以下に主な研究成果について述べる。 1)対称置換シス-オレフィンはピリジン系イリドのアンチ型へエンド付加して、專ら立体特異的にエンド付加体を生成した。 2)カルボニル安定化N-イリドはアンチ型として対称置換トランス-オレフィンと付加して2種の立体異性体を生成し、これら付加体は立体特異的レトロ反応によって相互変換した。そしてその異性体比は付加体の置換基の電子的、立体的因子に依存する。他方、カルボニル安定化基をもたないN-イリドは專らシン型として対称置換トランス-オレフィンへ付加することを明らかにした。 3)非対称置換オレフィンのN-イリドへの環状付加は高い配向選択性を示すが、立体選択性をイリド及びオレフィンの置換基の電子的性質と立体的嵩高さに強く影響されることが明かになった。そして動力学支配生成物のアンチ-イリドへの1-エンド-2-エキソ付加体はレトロ反応によってシン-イリドへの1-エンド-2-エキソ付加体、またベタイン中間体を経てシン-イリドへの1-エキソ-2-エンド付加体へ異性化することを見出した。 4)以上の知見に基づいて4-シリルオキシピリジンより誘導したN-イリドとオレフィン類の環状付加反応を検討し、この反応が立体規制されたヘキサヒドロ-7-オン類の合成法として優れたものであることを明らかにした。
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