研究課題/領域番号 |
60221002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八木 健彦 東北大学, 金材研, 助教授 (20126189)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1985年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 高圧 / 相転移 / ダイヤモンドアンビル / 電子顕微鏡 / 静水圧 / レーザー加熱 |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)希ガスを圧力媒体として用い、(2)ダイヤモンドアンビルと赤外レーザー加熱法を組み合わせて、(3)純静水圧下で鉱物に相転移を起こさせ、(4)回収した試料を電子顕微鏡を用いて観察することにより、(5)超高圧下の相転移の平衡圧や転移機構に関する正確な情報を得る事である。 この目的のためにまず、ダイヤモンドアンビルの試料室に、常温高圧(約2千気圧)下で希ガスを封入する充填装置の設計製作を行ったこの装置は、試料室、真空排気系、高圧ガス導入部、超高圧ブースター、圧力測定系および制御系などから構成されている。補助金の設備備品費は、この超高圧ブースターと、制御およびデータ処理用の計算機の購入に当てられた。この装置により、当初目標とした純静水圧の超高温高圧下における相転移実験を行うめどがたてられた。 一方これと平行して、電子顕微鏡を用いた、超高圧実験回収試料の観察技術の開発も行われた。まず、超高圧実験で回収された試料の同定について電顕観察が、通常用いられている粉末X線回折法と比較して、どのような差異があるかを明らかにするため、衝撃圧縮により約90GPaの超高圧下にさらされた、Si【O_2】を電顕により観察した。その結果、従来粉末X線観察によりスティショフ石よりも高密度なSi【O_2】の高圧相が生成したとして説明されていた回収試料が、実はSi【O_2】と試料容器として用いられた金属が反応して生成した金属酸化物であることが解明され、極微量の回収試料の同定に関して、電顕観察が極めて有力な手段となることが明らかにされた。 今後上記の装置を用い、種々の条件下で相転移を起こさせた試料を電顕観察する事により、高温高圧下の鉱物の相転移に関して、多くの知見を得ることができると考えられる。
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