研究課題/領域番号 |
60221017
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小畑 正明 熊本大学, 理, 助教授 (20126486)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | カンラン岩 / マントル / マグマ / 部分溶融 / ミグマタイト / 下部地殻 |
研究概要 |
上部マントルのサンプルとして、日高帯の幌満カンラン岩、下部地殻のサンプルとして、熊本県肥後変成岩の研究を行った。 幌満カンラン岩:系統的にサンプリングした多数のカンラン岩について、螢光X線分析、EPMAにより、全岩化学分析と、構成鉱物の化学分を多数行った。それにより、幌満岩体の層状構造の実体が明らかになってきた。その著しい特徴は、岩石の化学組成が層序にしたがって波うつように変化することと、全岩組成が組成空間において直線的な変化を示すという二点である。理論的考察により、このような層序的、化学組成的パターンは、カンラン岩が上部マントルで部分溶融し、生じたメルトが鉛直方向に浸透流的に移動することにより生じるというモデルを考えた。現在、この考察をさらに発展させるため、精選された試料について微量元素の分析を行う準備を進めている。 肥後変成岩とミグマタイト:熊本県益域郡の肥後変成帯の一地域をとり上げ、変成鉱物の分布により変成分帯を行った。その結果、当地域は、北から南に向って、白雲母の安定なゾーン、カリ長石・シリマナイトの安定なゾーン、ザクロ石・コーディエライトの安定なゾーンと帯状に配列し、変成温度がこの順に上昇することが明らかとなった。最高温部には種々のミグマタイトが産し、それらを野外と、室内における顕微鏡で観察、記載しサンプリングを行った。サンプリングにあたっては、補助金で講入した携帯用コアピッカーを用いた。さらに、採取したミグマタイトサンプルの代表的なタイプを12ヶ選び、予備的に全岩化学分析を行った。その結果、ミグマタイトは、例えばSi【O_2】量が40%から75%までの広い組成中を示し、さらに詳しい化学的検討、分析を行うに十分価値のあるものであることが確証された。
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