研究概要 |
研究の目的……プラズマCVD,クロライドVPEのような安価で安全な成長方法による高エネルギー・ギャップ混晶半導体、AlAsN,AlGaAs、の成長の可能性を明らかにする。前者はGaAs,GaInAsP、等の化合物半導体の保護膜,絶縁膜として有望であり、AlGaAsのクロライドVPEが可能になれば、レーザ・ダイオードの生産方法に大幅な変革をもたらす可能性がある。 実験……本年度はまずAl【(CH_3)_3】…TMA…と【NH_3】を使ったAlNのプラズマCVD,TMAとAs【Cl_3】,あるいはAl【(CH_3)_2】ClとAs【Cl_3】を用いたAlAsのクロライドVPEを試みた。 実験結果 AlNのプラズマCVD……TMAと【NH_3】を別々のパスから反応室に導くことにより、AlNのプラズマCVDが可能であることを めて明らかにした。成長速度はTMAの供給量によって支配され、【NH_3】/TMA比が大きくなるほど膜質が良くなる。スパッタリングオーシェによる組成分布ではAl,N,の他に常に数%の酸素が検出されたが、これは測定機中の残留酸素による可能性がある。赤外吸收によるピークは650【cm^(-1)】、紫外吸收によるバンドギャップは4.8eV、X線回折パターンでは特定のピークは観測されなかった。 AlAsのクロライドVPE……TMA又はAl【(CH_3)_2】ClとAs【Cl_3】をHeをキャリアガスとして高温領域(〜750℃)に送り、(AlCl+Al【Cl_3】)を作る。成長領域(ここも〜750℃)では【H_2】を導入することによりAlを折出させる。As【Cl_3】からのAsがあるため、GaAs基板上にAlAsが成長することを明らかにした。Alと石英反応管との反応を防ぐため、Cのコートをすること、As【Cl_3】/TMAの比を最適(〜0.64)にすることがキーポイントであった。最高成長速度は3μm/hr、今後界面の急峻性等について明らかにすることが必要である。
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