研究課題/領域番号 |
60222025
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
赤崎 勇 名古屋大学, 工, 教授 (20144115)
|
研究期間 (年度) |
1985
|
研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1985年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | 混晶半導体 / MOCVD / ALGaN / LPE / InGaAsP / 混合不安定性 / スピノーダル分解 |
研究概要 |
光電物性を評価するための高エネルギーギャップ混晶半導体結晶の作製条件、結晶性、伝導型制御性、ヘテロ界面および表面モルフォロジー等の検討を行なった。MOVPE法によりAlGaN三者混晶をサファイヤおよびSi基板上に、又LPE法によりInGaAsP四元混晶をGaAs基板上にエピタキシャル成長させることに成功した。 1.MOVPE法によりサファイヤ(0001)面およびSi(111)面上にAl×【Ga_(1-x)】N膜の結晶成長を行なった。有機金属化合物とN【H_3】との寄生反応を抑制することにより、Alx【Ga_(1-x)】N膜の組成はTMGおよびTMAの供給量比によってほぼ完全に制御できた。気相一固相分配関係を実験的に求め、Alの分配係数が約1であることを見出した。サファイヤ上では基板温度1020℃で、Si基板上では1050℃でx=0.4まで単結晶が得られた。格子定数Cの組成に対する依存性はVegard則に従った。又、電子濃度はxの増加に従って減少する傾向を示したが、その移動は40〜89【cm^2】/V・Sの程度でほぼ一定となった。なお、ホール測定には補助金により購入した電磁石を使用した。 2.二相溶液法を用いたLPE法により、GaAs(100)面上にInx【Ga_(1-x)】Asy【P_(1-y)】(0<y<0.55)の成長が再現性よく行なえることを確かめた。混合不安定領域内の組成であっても、短時間(数秒程度)成長によりエピタキシャル成長が可能であることが判明した。この理由は、成長層が基板と格子整合しているため、固液界面でのスピノーダル分解が抑制されたことによることが示唆された。しかしこの安定化の効果は短時間(数秒程度)しか作用せず、時間とともに結晶性、表面形態等が悪化した。又、混合不安定領域の中心に近い組成ほど、速く悪化することが分かった。悪化の原因は、固液界面で時間とともにスピノーダル分解が除々に進行していくためであると推測される。
|