研究課題/領域番号 |
60223002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅野 富夫 北海道大学, 獣医, 教授 (50009982)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | カルシウムイオン / 分泌細胞 / ミトコンドリア / チトクローム / 酸化還元状態 / 膵腺房細胞 / コレシストキニン / 刺激-分泌連関 |
研究概要 |
摘出ラット膵灌流標本の血管系をHEPES緩衝系リンゲル液によって灌流し、この灌流液中にCCK-8(コレシストキニン・パンクレオザイミンC端アミノ酸8個よりなるペプチド)を加えて膵腺房細胞を持続的に刺激した。この標本の膵臓の一部の表面に、走査型器官測定用分光々度計のプローグ先端を接着し、腺房細胞内のミトコンドリアノチトクローム a(【a_3】),bおよびc+【c_1】の酸化還元状態を連続的に記録した。同時に、膵管力ニューレから流出する膵液を採取し、膵液流量と膵消化酵素含有量とを測定した。 最近の数篇の研究論文によると、摂食後のCCK血漿濃度は20pM以下であろうとされている。上記標本を生理的濃度である10pMのCCK-8で持続的に刺激すると、膵消化酵素蛋白放出反応は次第に増加し、刺激中にプラトーレベルを形成した。この時同時に測定したチトクロームはほとんど変化を示さなかった。100pMのCCK-8で持続的に刺激すると、膵消化酵素蛋白放出反応は最大反応を示した。この時チトクロームは平行して還元方向に移動した。1nMのCCK-8で持続的に刺激すると、刺激開始後一過性に膵消化酵素蛋白放出反応が上昇するが、その大きさは100pMのCCK-8刺激時よりも小さく、かつ持続的刺激中にも急速に下降した。チトクロームは平行して大きく還向に移動した。 ウワバインによって、膵腺房細胞の刺激-放出連関に組み込まれていると考えられるNa-Kポンプ作用を止めると、膵液分泌は著しく抑制されるが、チトクローム還元反応は残った。薬理的CCK濃度で刺激した時の分泌反応は灌流液中のCa【Cl_2】を除くと半減し、チトクローム還元反応も半減した。チトクローム還元反応は、Na-Kポンプ活動には無関係で、細胞質Caイオンの過剰上昇(1uM以上)を反影しているものと推定している。
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