研究課題/領域番号 |
60223006
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
渡邉 良雄 筑波大学, 生, 教授 (00015918)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | テトラヒメナ / 纎毛鞭毛運動 / カルモデュリン / TCBP-10 / カルモデュリン結合蛋白質 / 纎毛逆転反応機構 |
研究概要 |
微小管系細胞運動の纎毛・鞭毛運動は【Ca^(2+)】依存的に運動波形が調節されており、生物に共通な【Ca^(2+)】受容蛋白質が【Ca^(2+)】センサーとして仂く可能性が示唆されていた。数年前に我々は原生動物から初めてカルモデュリン(CaM)を単離し、CaMの纎毛運動制限への研究を進めてきた。しかし、CaMの【Ca^(2+)】に対する解離定数(Kd,【10^(-6)】M)では説明しがたい2〜3の現象の存在に気付き、CaMの相手蛋白質(CaMBPs)の中にはCaMの【Ca^(2+)】に対するKd値を修飾することができる調節蛋白質の存在や、CaMとはKd値を異にする別の【Ca^(2+)】結合蛋白質の存在について検討を行った。その結果、【10^(-7)】M以下の【Ca^(2+)】でCaMと結合できるCaMBPs及びTCBP-10をそれぞれ発見するに至った。これらについての本年度に於ける研究成果を以下に述べる。 1. 【10^(-7)】M【Ca^(2+)】でCaMと結合するCaMBPsは最初【^(125)I】-CaMのオーバーレィ法でみい出した。このCaMBPsをネィティブな蛋白質としてとり、その性状を検討のため、CaMのアフィゲルを用いて精製を試み、これらの検出は成功した。しかし、量的に十分調製するためにはアフィゲルにかける際に試料に含まれる纎毛チューブリンを除く必要があることが次第に判ってきた。最近チューブリンはEPC・カラムを用いて除去しうることができ、またCaMBPsの検出もCaM・アビジン・ビォチン・ペルオキシダーゼ法で鋭敏な反応として捕えられるようになったので、現在はこのCaMBPsを二次元電気泳動上のスポットとして確かめている所である。 2. TCBP-10はCaMとは異りパルブアルブミンに似た【Ca^(2+)】結合蛋白質であることをそのアミノ酸配列から明らかにした。しかし、抗体のイムノブロットから10Kでなく25Kの可能性があり、精製を行っているが25Kは蛋白分解酵素に弱く量的にとれない。【Ca^(2+)】結合蛋白質を分離するフェニールセファロース・カラムにかける前の【Ca^(2+)】存在下の条件で他の蛋白と共に沈澱する性質がみつかり、精製を一層むずかしい亊にしている。
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