研究課題/領域番号 |
60223025
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
公文 明 佐賀医科大学, 医, 教授 (10136616)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 平滑筋ミオシン / 20K軽鎖 / 燐酸化 / フィラメント形成 / キモトリプシン分解 / ATPase |
研究概要 |
平滑筋の収縮調節は、平滑筋ミオシン20K軽鎖の燐酸化を介して行なわれる。この軽鎖の燐酸化により、ミオシンの立体構造が変化レフィラメント形成と共に、アクチンによるミオシンATPase活性の上昇がみられる。一方、20K軽鎖は、α-キモトリプシンでそのアミノ基末端の燐酸化部位を含む残基1-22が切断される。そこで、ミオシン分子内における20K軽鎖燐酸化の役割を明らかにするため、ニワトリ砂のうの非燐酸化ミオシンを温和な条件下でα-キモトリプシン処理し、濁度法でミオシンの集合状態を観察すると共に、各種ATPase活性の測定を行った。 1.α-キモトリプシン処理ミオシンの分解様式 20K軽鎖成分は、200K重鎖成分よりも速やかに分解され、その分解量は、200K重鎖成分の約2倍であった。一方、17K軽鎖成分は、本実験条件下では分解をうけなかった。 2.α-キモトリプシン処理ミオシンの解離、集合及び各種ATPase活性 (1)低イオン強度下、非燐酸化ミオシンフィラメントに対するATPの解離作用は、20K軽鎖成分の分解に伴って消失した。燐酸化ミオシンフィラメントでもATPによる解離作用のないことが知られており、キモトリプシン処理ミオシンは、燐酸化ミオシン型に変換したと考えられる。次いで、これら標品を燐酸化すると、20K軽鎖の分解量の少ないもののみが、フィラメントを形成した。 (2)20K軽鎖の分解量に拘わらず、カリウム-EDTAやカルシウムATPase活性の変化はなかった。一方、非燐酸化ミオシンATPase活性のアクチンによる活性化は、20K軽鎖の分解量の増大と共に上昇した。 以上の結果、キモトリプシン処理ミオシンは、20K軽鎖の燐酸化部位領域の除去による燐酸化ミオシン型に変換したと考えられる。20K軽鎖燐酸化は、その軽鎖によるミオシン分子の機能的抑制状態の解除にあるのであろう。
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