研究課題/領域番号 |
60225004
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 研三 名古屋大学, 農, 助教授 (80164292)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | サツマイモ / 貯蔵タンパク質 / 多重遺伝子族 / 核遺伝子 |
研究概要 |
サツマイモ塊根の全可溶性タンパク質の約80%を占める貯蔵タンパク質スポラミンは、AとBと名付けられたタンパク質化学的に異なる2種の型が塊根中で2:1の量比で存在し、N末端アミノ酸配列の解折から、スポラミン遺伝子はゲノム中で多重遺伝子族を形成しているものと推定されるがその実体は明らかではなく、また、スポラミンの核遺伝子の単離とその構造決定は、遺伝育種的にも興味が持たれる。 スポラミンBの全鎖長cDNAクローンの塩基配列を決定し、先に決定したスポラミンAcDNAのそれとの比較から、両者間では特に非翻訳領域において相同性が低く多数の欠失がみられることから、両遺伝子への分岐はスポラミン多重遺伝子族の形成と進化の初期に起こったものと推定し、また、これらの欠失の生成機構を推定した。 スポラミン多重遺伝子族の構成を明らかにするため、多数のスポラミンcDNAクローンを種々の技法を使って分類する作業を進めているが、同定されたcDNAクローンの比から塊根中でのスポラミンAとBのmRNA量比は、タンパク質の量比とは異なることが分った。塩基配列の比較から、スポラミンAとBのmRNAは形成しうる分子内2次構造に大きな違いがあり、こうした違いが両者の翻訳効率の違いをもたらしている可能性が示唆された。 スポラミンcDNAクローンの分類から、これまでにスポラミン多重遺伝子族はAとBの2つの主要subfamilyに分けられ、前者には少くとも4種の遺伝子が、また、後者にも2種以上の遺伝子が含まれることが明らかになった。 スポラミン核遺伝子を単離してその構造を明らかにするために、λファージをベクターとしたin vitroパッケージングにより、サツマイモのゲノミックライブラリーを作成し、現在スポラミンcDNAをプローブとして同定したゲノミッククローンの解析を進めている。
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