筋ジストロフィー症は先天性筋蛋白質の代謝病であると考えられる。実験動物の運動異常をマーカーにして先天性筋疾患を持っ系統を得てヒト筋ジストロフィー症のモデルをして利用しようとする試みが近年になり積局化している。 本研究で用いるジストロフィー症・チキンはこの方法で発見され、実験動物として改良されたものである。ここでは発症に伴い筋原線維のZ帯を構成するα-アクチニンの合成が特異的に上昇することをみつけた。 本特定研究ではα-アクチニンをコードするC-DNAクローンをDNA組替え実験によりスクリーニングし、これをグローブにして、α-アクチニンのmRNA及び遺伝子上の異常を検出しようとするものである。 60年度はこの計画にそって (【i】)ニワトリよりα-アクチニンを精製する事、(【ii】) このα-アクチニンをウサギに注射して抗血清を得る事、 (【iii】) DNA組替実験を可能にする【P_2】施設の完成、及び (【iv】)抗血清を用いC-DNAをスクリーニングすることのできるExprESSION VECTOR gt入りを用いたC-DNAbankの作成を行なった。
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