研究課題/領域番号 |
60227007
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保田 立二 東京大学, 医科研, 助教授 (30092357)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 小さなリポソーム / 薬剤封入効率 / 高い脂質濃度 / 酵素分子 |
研究概要 |
小さなリポソームは 細網内皮系細胞に捕捉、除去され難いので、実質細胞や癌細胞に薬剤を搬送する目的に適していると考えられる。しかし、その薬剤封入効率はたかだか1%程度と低く、高価な薬剤を封入する場合にはこのことが大きな欠点であった。 本研究では、小さなリポソームを酵素のキャリヤーとして利用するための基礎として、封入率の良い小さなリポソームの作製法について検討した。その結果、極めて高い脂質濃度で多重層膜リポソームを超音波処理することによって、封入効率の良い小さなリポソームが得られることを見い出した。 卵黄レシチン、コレステロールとホスファチジン酸をモル比1:0.5:0.1の割合で用いて、多重層膜リポソームを調製した後に、この多重層膜リポソームを超音波処理して小さなリポソームとした。リポソーム調製に用いる脂質濃度を、従来用いられてきた濃度(10〜40mM)に比較して著しく高めたところ、ショ糖やアドレアマイシン等の封入効率が大きく増加した。256mMの脂質濃度の場合、ショ糖(50mM)とアドレアマイシン(8.6mM)の封入率は各々39%と60%であった。電子顕微鏡による観察と光散乱法による粒度分布の側定から、生成したリポソームの大きさは比較的均一で、平均直径は80nmであった。また、形成したリポソームは安定で、封入した薬剤の70%〜90%を3週間以上保持していた。 蛋白質を小さなリポソームに封入する手始めとして牛血清アルブミンを用いたところ、封入効率は15%程度であった。 以上述べたように、水溶性分子を効率よく小さなリポソームに封入する条件を見出した。牛血清アルブミンも比較的高率に封入されることから、超音波処理に比較的耐性の酵素分子の封入に応用可能であると考えられる。
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