研究課題/領域番号 |
60227010
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高井 克治 京都大学, 医, 助教授 (10010000)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 芳香族アミノ酸 / トリプトファン / チロシン / フェニルアラニン / トリプトファン側鎖酸化酵素 / フェニルアラニンアンモニアリアーゼ / セロトニン / カテコールアミン |
研究概要 |
酵素療法又は将来遺伝子の人体内導入が可能になったとして、では生体ホメオスタシス維持の機構がこれ等を許すか或いは如何に応答するかは、比等の問題の原点である。我々は、最も頻度が高く往々精薄を伴う先元性アミノ酸代謝異常に焦点をあて基礎研究を行っているが今回特に重要な芳香族アミノ酸,トリプトファン(Trp)チロシン(Tyr)フェニルアラニン(Phe)の血中レベル自身の生理的意義を探るためこれ等を外来酵素を生体(ラット)に導入して血中より選択的に除去しそれに対する生体の代謝/生理応答を調べるというアプローチを開始した。 Trp除去には我々の発見になるトリプトファン側鎖酸化酵素【I】型(TSO【I】)を用い、Tyr/phe除去にはR.ghtinisのフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)を用いて、それぞれを、ラット腹腔に導入すると、孰れも変收率で血中に転入し、活性を発現して、その伝半減期約半日で血中より消失する。TSO【I】を用いれば、用量依存的に血中Trpは除去され、最低値は正常の数百分の1となり、しかもこれが場合いよれば30時間も維持される事が判明した。PALを用いると、血中Tyr/Pheは数時間の経過で2-3%に下降した。以上の血中芳香族アミノ酸の除去は本質的に選択的でありかつ酵素の血中よりの消失に伴い正常値に復元した。この様な迅速かつ特異的なホメオスタシスの揚乱は、酵素療法に必発のものであるが、以上の場合特に脳は敏感に応答し、Trpの血中除去に脳内Trp低下が並行し、その上、Trpを前駆体とする神経伝達物質セロトニン(5-HT)脳内レベルも追従して低下した。カテコールアミン代謝は維持されていた。一方、PALによるPhe/Tyr血中低下は脳内Tyr/Phe低下をもたらしたがその程度はTrpの場合よりも温和で、カテコールアミン代謝への影響は少なかった。この事実はPhe/Tyrを対象とするPKUの酵素療法の原点を保証すると共に同じ芳香族アミノ酸Trpの場合は明確な生理機構の存在の考慮を必須なものとした。
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