研究課題/領域番号 |
60227022
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中野 昭一 東海大学, 医, 教授 (00055716)
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研究期間 (年度) |
1985
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研究課題ステータス |
完了 (1985年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 飜転腸管 / 腸管粘膜通過現象 / in-Vitroの腸管潅流装置 / PAL(フェニールアラニンアンモニアリアーゼ) / アスパラテーム |
研究概要 |
私たちの開発した紫外部吸光を利用するin-Vitroの腸管潅流装置を用い、ウィスター系成熟正常ラット飜転腸管における種々のアミノ酸、ジペプチドなどの腸管壁通過現象を、今回はその初年度の実験として下記の二条件で検討した。その結果、 1. 飜転腸管の粘膜面を、0.1N Hcl、0.1N NaOH、5%SLS等で2〜5分間前処理した場合、L-フェニールアラニン(L-Phe.)およびトリプトファン(L-Try.)の通過がNaOHおよびSLS処理で促進されるのに反しHcl処理では抑制される傾向にあった。これらのことは腸管粘膜上皮細胞膜を構成する脂質蛋白質層の微妙な変化がその選択的な物質透過性に影響を与えると考えられ、人為的膜障害による膜輸送障害モデル作製の基礎的成績にしたいと考えている。 2. フェニールケトン尿症の治療に関連してL-Pheおよびアスパラギン酸とPheのジペプチドであるアスパラテームの腸管壁通過現象に対するPAL(フェニールアラニンアンモニアリアーゼ)の影響を検討した実験では、まず、L-Pheの腸管壁通過に比較してアスパラテームの通過が少ないもののジペプチドとしての通過がみられていた。次に1.0%Phe10ml粘膜側添加によるその腸管壁通過現象に対してPAL18u.を添加すると、20分間で約10%、40分間では約41%の通過抑制がみられ、PALの効果がある程度発揮されることを示していた。なお、1%アスパラテーム10mlの粘膜側添加によるその腸管壁通過現象に対してPAL18u.の添加では、始めの20分間はほとんど変化がみられず、40分間を経過して初めてある程度抑制される傾向にあった。この点、ジペプチドとしてのアスパラテーム自体の通過が、腸管粘膜細胞表面膜の膜消化、その他の分解によるものかを、今後さらに検討していく必要がある。
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