研究課題/領域番号 |
60300001
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石井 信一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90001031)
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研究分担者 |
三井 幸雄 東京大学, 薬学部, 助手 (40012637)
三浦 謹一郎 東京大学, 工学部, 教授 (30000227)
廣海 啓太郎 京都大学, 農学部, 教授 (50025425)
甲斐荘 正恒 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20137029)
鶴 大典 長崎大学, 薬学部, 教授 (90039652)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | プロテアーゼインヒビター / 放線菌プロテアーゼ / ズブチリシン / 金属プロテアーゼ / 人工的突然変異 / 遺伝子クローニング / X線解析 / 核磁気共鳴 |
研究概要 |
研究は 実施計画に沿ってほぼ順調に進行し、下記のような成果を得た。 (1)放線菌起源の金属プロテアーゼインヒビター(SMPI)の化学構造を決定し、その知見を基にして この蛋白質のインヒビターとしての反応部位の同定を試みた。またサーモリシンとの相互作用の解析を分光学的方法で進めたが、これらの研究を深めるためには より充分な量のSMPIを確保する必要があるため、菌のSMPI生産性向上の検討をも行い、所期の成功を収めた。 (2)放線菌のズブチリシンインヒビター(SSI)が、放線菌由来のズブチリシン様酵素ばかりでなく、同じ菌のキモトリプシン様酵素、更には金属プロテアーゼまでも阻害し、SSIが予想外に広い阻害スペクトル(ただし放線菌プロテアーゼ類の範囲内で)の持ち主であることを見出した。 (3)SSI遺伝子のクローニング、その転写および翻訳制御部位をも含めたDNA塩基配列の決定、菌での発現に成功した。更に この遺伝子に部位特異的突然変異法を適用して、反応部位の【Met^(73)】残基を【Lys^(73)】残基に置換した SSIの調製を行い、多種多様な SSI人工突然変異体をインヒビターの構造-活性相関研究の対象に供する道を開いた。 (4)上で得た【Lys^(73)】-SSIの他、天然の突然変異体(プラスミノストレプチン)および SSIに酵素処理あるいは化学試薬処理を施して得た多種類の誘導体を対象として、各種プロテアーゼとの相互作用を酵素学的,分光学的手法あるいは熱測定法によって比較解析し、重要な新知見を得た。 (5)SSIそれ自身および それとズブチリシンとの複合体について 結晶X線解析データの精密化を進め、複合体形成時に起こる SSIの立体構造変化が新しい機構に基づくことを推論し得た。核磁気共鳴法を用いた SSIの溶液中における立体構造の解析も進展した。特に ここで指摘された分子内運動に富む部分の存在は、2で明らかにされた SSIの広い阻害スペクトルとの関連で注目される。
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