研究課題/領域番号 |
60300003
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
曽根 敏夫 東北大, 電気通信研究所, 教授 (50005245)
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研究分担者 |
三浦 甫 工業技術院, 電子技術総合研究所, 室長
橘 秀樹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80013225)
熊谷 正純 仙台電波工業高等専門学校, 助教授 (10044653)
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20143034)
香野 俊一 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60005353)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 衝撃音 / 衝撃騒音 / 騒音 / 騒音評価 / ラウドネス / ノイジネス / エネルギーレベル / ラウンドロビンテスト |
研究概要 |
衝撃音は高いピークレベルと極めて短い継続時間で特徴づけられる音であり、時間率騒音レベル等の従来法による評価は不適切である。本総合研究はこの未だ評価方法が確立されていない衝撃音について、そのラウドネス(音の大きさ)やノイジネス(やかましさ)を評価・計測するための方法を検討したものである。本研究では、まず、全共同研究者が同じ音刺激を用いて同一の実験を行うラウンドロビンテストを実施した。この中では、現実に存在する衝撃音の分析結果からパラメータを決定したモデル繰り返し衝撃音を用いて、評価実験を行った。この実験に用いた音刺激は、ミニコンピュータを用いて合成した後、これをテープにPCM録音して、各研究者に配布した。100人以上の被験者が音刺激を聴取するという、この種の実験としては極めて大規模の実験の結果、次のような点が明らかとなった。 1)繰り返し衝撃音のラウドネスは、音のエネルギーレベル(音圧の2乗積分値)と相関係数0.97前後の高い相関を示した。したがって、このエネルギーレベルによりかなりの程度評価が可能である。しかし、回帰係数は、1よりかなり小さいので、より正確な評価のためには、聴覚系内の時定数を考慮する必要がある。 2)ノイジネスの場合には、被験者の判断とエネルギーレベルによる評価とは、相関係数0・99程度と極めて高い値を示し、また、回帰係数も、0.97とほぼ1に近い値を示していることから、衝撃音のノイジネスの評価量として、エネルギーレベルが極めて有効であると考えられる。 また、本研究では、この他、広帯域衝撃音の評価の際に必要な周波数加重関数が、定常音の場合とはかなり異なること、背景雑音の影響は、聴覚系内のマスキングを考慮することによって適切に評価し得ることなど、いくつか重要と考えられる成果が得られた。
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